ENo.741 キルロイ・ワズヒア -Stroll Green-

アーグルトン王国の近衛兵。

温和で明るい性格、気さくな青年。
ただし、王国に対して強い忠誠心があり、王国を侮辱する者を絶対に許さない。

平民から成り上がりで兵士になったため、一般知識に乏しいのを気にしている。
そのため、新しいことを積極的に知ろうとする。

頭のﾋﾟﾛﾋﾟﾛは触覚、感情によって動く。

アーグルトン王国とは

彼の空想の王国、　存在しない。

戦争孤児。
自分の名前は知らないし、文字も読めない。
名前を聞かれた時、壁に描いてあった落書きを指差した。
それから、自分は「キルロイ・ワズヒア」となった。

起源は物心ついたときから持っていた兵隊人形。
死をさまよい倒れていた時、キルロイから何か盗もうと老人が人形を取り出すと、
「懐かしい、勇ましく美しい、過去の兵士よ...」

そう言ってから、老人はかつて世界にあった戦奇譚を語った。

キルロイはそれに魅了された。
それから、彼の脳内には存在しない国が生まれ、
存在しない国に忠誠を誓う自分が生まれた。

誰も信じられない、こんな国に生まれた名前のない自分は存在しない。
ただ生きるか死ぬかが全てではない、信じるものに命と全てをあずける気高い兵士に。
空想でもいい、偽りでもいい、誇りを持つ自分でありたい。

彼は生きる理由を手に入れた。
生きるために殺す理由を手に入れた。

「王国のため」
それを理由にすれば、剣を振るい、血を浴びることもできる。
生き延びることができる。

彼は今もまだ、授からなかった名前と存在しない国と共に生きる。

心のどこかで、その虚しさを感じながら、今もまだ。

今も、まだ。