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シビれる俺
グロウス・リポグラフィ  Glaus Lipography
CCCヴィランヒーローオレっちと言えば自由
性別男の中の男ってヤツ身長188cm!ハイスペック!

伝承245枚目の没原稿

規則"F"を発声出来ない

Profile
「待たせたな!」
 オレっちの部屋はココ→RNo.288(遊びに来てネ)

あるトコロに、それはそれは心優し~い青年がいました。
(ヒュウ!親切が一番だぜ)
青年は可哀想なコトに、ビンボーな生活を送っていました。
(ワオ!なんてカワイソウ!涙が出ちゃうぜ)
ある日、青年はパンの耳をカジっていると耳ヨリな情報が入ってきました。
(おいおい、じらさないで早く聞かせろよ!)
『"チケン"アルバイト募集/報酬は500万ドル』と書かれたチラシです。
("チケン"ってなんだ?まあいいや!これで遊び放題だぜ!)
ヒンコーホーセイでビンボーな青年は、アルバイトに応募しました。
(だって500万ドルも手に入るんだぜ!)
『是非来てください』と、デッケー病院にソッコーで採用されました。
("チケン"ってイリョウのテストなんだって。オレすごくない!?)



「問診表通り、君は声帯部分に重篤な疾患を抱えている。
 今回行う治験は特に未発達の細胞に関与するものだ。
 "喉"および"発声"において最良の結果を
 迎えることが出来るだろう。」

白衣を着たヤツがアレコレ言ってたけど、
このチケンは青年にとってピッタリってコトだ。
(早く早く!これが終わったらちゃんと5000憶ドルくれるんだよな!?)
青年は映画とかドラマでよく見る薄緑色のスースーする服を着せられた。
(これにはドキドキしてきたぜ。すぐ終わるのが勿体ない!)

奥の部屋へ招待されたところは、
想像していた病院とは全く違いました。
(ま、病院なんて行くのはこれが初めてだったけど)
大掛かりな手術台があってよくわかんない機械がいっぱいあって、
それから……


青年は手術台にベルトで硬く拘束され、
想像を絶する"実験"を受けさせられました。

やめろと叫ぼうにも鳴らない喉、
バチバチと電気は鳴り、細胞が焼け続ける。

失神する直前――最後の最後に"薬"が注入し終わった瞬間。

全ての拘束具を力いっぱい引きちぎり、
そこかしこで見てるやつらをぶん殴って、

腹の底から叫んだ。

「▓UCK!!!」

この時、人生で初めて声が出たんだ。
そう、もうわかっただろ?実験は大成功!
青年――そう、このオレは"声"を手に入れたんだ!
ついでにスーパーなチカラも手に入れちゃったみたい。

あとはカシコイ人はもうひとつわかったかな?
お下品なコトバだから?違うね。

デカいパワーには、デカい代償がツキモノ。
オレは"F"を発音することができない。
普通そこは"E"じゃないのかって?
ギャズビーじゃないんだから。マンダムの方じゃないよ。


ん?なんだかありきたりな話だって?
ヒーローの誕生なんて、だいたいこんなもんだろ?

ひとつ修正。
『すぐ終わるのが勿体ない』ってのナシ。

「もう二度と病院なんか行くかよ!」




そうだ、大切なことを忘れてた。


グロウス
「俺はウソつきが一番嫌いだ。」

 

 
 
 
 
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