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お前に襲いかかる
人喰い家の怪異  Sphene Lawrence The TrapHouse
妖怪ログ公開フリー
性別決まってない身長人型時112cm

伝承口伝「人を食う家」、「砂漠の町を消した捕食者」

理想カッコイイ美術館!

Profile
「あの空き家に近づいてはいけないよ」
「あの家は人を食べてしまうんだ」
「お前のような子供など、ペロリと丸呑みさ!」



座敷童子が良くない方向に変異した妖怪のようなもの。
めちゃくちゃポルターガイストを起こす。
命あるもの(特にヒト)を糧にする。
いつかカッコイイ美術館になるのが夢。
童話画廊という空間そのものに憧れている。



最近、人型を作れるようになった。性別不詳。
恩人の名からローレンス、盟友たるNo.595から授かりスフェンと名乗る。
スフェン=ローレンス。『枯れぬ月桂冠を戴く者』である。
好きな食べ物はチーズの乗ったパン。


その時、砂漠でなにがあったか?
ある怪異が目を覚ました。
怪異は空き家であった。付喪の一種である。
怪異は人喰いの怪異であった。自身に入ってきた人間を捕食した。
目の前に出された食事を食べるように、自然とそう考えた。
怪異は人を喰い、幾許かの記憶や力を飲み下し、人の事を学んだ。

ある時怪異は、転移能力……ワープが使えるようになった。
噂が広がれば、人は寄り付かなくなる。
次の街へ、狩場へ行くのに、この力はたいそう便利であった。
しかし、それに失敗した時があった。
狩場を遠くに移そうと、長距離のワープを試みたのだ。

結果、砂漠のど真ん中に出てしまったのである。

ワープには距離に比例したエネルギーを使う。
疲弊した状態で、獲物などいなさそうな不毛の地に来てしまった。
やってしまった。街へ向かう方角はわかったが、本来の移動能力……チマチマとは動ける……では、辿り着くのと力が尽きるのとどちらが早いか、という状況であった。

ある日、砂漠を往く小屋に、人が訪れた。

男は少しづつ移動する家を「命あるもの」だと認識していた。
その上で居着いた。
家は男を食おうかとも思ったが、一気に食べてしまうよりも、
この男から記憶や情報を少しづつ啜る方が良いと考えた。

家は中のものを動かしたりある程度生成できたので、
男に水や食糧を少しばかり与えることができた。
男は家の糧となるように、知識を語って聞かせた。
男は美術商としてキャラバンにいたが、いつの間にか置いていかれてしまったのだという。
家は美術のことをよく知らなかったが、男がたいそう楽しそうに語るので、良いものなのだろうと思った。

男は家と意思疎通ができると分かると大層喜んだ。
1人と1体はそのうち親しくなり、賭けをした。
家が先に斃れたら、男がそれを日除けと薪にして街に辿り着く。
男が先に斃れたら、家が男を食って同様に。
先に斃れた方を、残った方が糧にしよう、と。

1人と1体には限界が近づいていた。
男は自らの夢を語って聞かせた。
いつか世界中の傑作を集めて、自分の美術館を作るのだと。
男は半ば気が触れていて、必死に語りながら木炭スケッチをガリガリと描いていた。
男はやがて動かなくなった。

家は、怪異は、力尽きた男を食った。
大事に、大事に、少しずつ食べた。
一人と一体は、一体になった。

砂漠の街に辿り着いた怪異は身を落ち着けた。
人を誘う元気も出なかった。
そんな空き家に、男共が酒や食料を持ち込んで、これ幸いと騒ぎ出した。

「いやあ、それにしても儲けたな」
「美術品なんざ必死に守って、とは思ったが」
「あんなに値がつくとは!あの野郎、見直したぜ」
「今頃砂の下で喜んでらあよ」
「ガハハ!なんつったか、あいつ、」

「ローレンスとか言ったか?」

怪異は、彼のことだとわかった。
怪異は、彼が発していた譫言を覚えている。
怪異は、彼の記憶を飲み下し、受け取っている。
怪異は、彼を砂漠に置き去りにしたのはこいつらだと確信した。
怪異は、彼を殺したのはこいつらだと確信した。

怪異は、初めて、人を「殺した」。
明確な殺意と、怒りと、悪意をもって殺した。
それは怪異にとって初めての感情だった。
彼を、ローレンスをゆっくりと捕食したからか、その人格までもを消化し、一部としたらしい。
それを落ち着いて理解する頃には、その街の住人を、否、建造物に至るまで、街の全てを食い尽くしていた。
怪異は、感情に宿る力というものを、その強さを知った。
そして、それをいっとう美味いと感じるようになった。

怪異は「芸術や美意識に関する知識が美味い」と学んだ。
芸術は感情の発露である。怪異は芸術が、感情が好きになった。
怪異は、彼と同様に、芸術を愛するようになっていた。

怪異が童話画廊に来たのは、そんな折だ。

死んだ彼の、喰らった彼との、ほんの短い間に貰ったすべて。
彼の感情、彼の名前、彼の夢。それが怪異の心を構成している。

知る限りの聞きかじりの遁走曲フーガ
彼の夢を叶えることが、怪異の願い。


だが、怪異が偶然、画廊に落ちてこなければ── それはまた、違った物語になる。
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