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名もなき少年
悪食  Akuziki
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性別男性身長148cm

伝承『悪食信仰:■■村の衰退』の中に描かれし生贄

  

Profile
『悪食信仰:■■村の衰退』という作者不明の歴史小説の中、最後に登場し、悪食の生贄として死亡したとされる少年。しかし物語の最後に悪食の力を携えて村に現れたと描写されている。

あどけない少年の姿をしているが、ある程度不定形に身体を変化させられる。身体のあちこちに巻かれた包帯の下には無数の口が存在し、どこの口からでもあらゆるものを摂食可能となっている。口の中にはそこに本来あるべき肉や骨、臓器は存在せず、どこに繋がっているかも分からない食道が続くだけである。
食べたものはどこかへ溜めて置けることが可能で、完全に消化しきってしまうかは本人の意志による。今まで所かまわず色んなものを食べていたため、偶にとんでもないものを吐き出すことがある。
また蝗を眷属として使役している。蝗たちはいつもは悪食の髪の下で待機しているらしいが、髪の下に十分な空間はないのに何百匹も入り込んでいる仕組みは本人もよく分かっていない。

悪食の身体には、まだ本人も自覚していない力が眠っているようである。


やはりというかなんというか、かなり食い意地が張っている。とはいえ、悪食であるため隙あらば土だの石だのを食っており、空腹にはあまり悩まされていない模様。不味くかろうが問題なく食えるためか、料理を味わうということを度々忘れる。穏やかな性格をしているが変なところで強か。口癖は「悪食ですから」。物語の内容的には恐ろしい目に遭った過去があるはずだが、どうにもそのような影はあまり見せない。

物語は一巻で完結しているはずだが、幻の二巻目が存在しているという噂がある。

物語の中の悪食についての描写の引用
~~■■村は主に厄払いの神として悪食を崇めていた。悉く厄を喰らい、無病息災を招くという。悪食は益をも喰らうが、数年に一度、儀式として生贄を用意し献上することを対価に厄のみを喰らうように悪食と契約をしているという~~


物語の中の少年についての描写の引用
~~私のすぐ横をすれ違った少年は私を見向きもしないでよろよろと去っていった。少年のその薄汚れた白髪は非常に目を引くが、村の誰もが意図して目を向けようとしていないことが分かった。その身を守る服も埃の中から掘り出したかのように汚れている。何よりそのやつれた顔は私のなけなしの道徳的な情緒を刺激するのに十分だった。~~


儀式の様子についての描写の引用
~~男二人に持ち上げられ、台座の上に放り投げられたのは、あの時村で見た白髪の少年だった。少年は手足を折りたたまれたままきつく縛り上げられ、口には猿轡を嵌められ何も出来ない状態にあった。私は恐ろしさのあまり唾を飲んだ。村で会った時には少したりとも合わなかった少年の目と遂に視線が合ってしまう。何もできない状況の中、少年のただ一つの意を汲むのには十分な所作だった。私には何もできない少年から見て取れたその感情こそが最も恐ろしかったのだ。
 次の瞬間、台座の下の地面から染み出すように黒い液体が染み出してきた。それは水のよう、というよりは半流動体の水飴のようで、奈落の底よりも黒い中、人の口のようなものが無数に浮き出ていた。この時には私の中で最も恐ろしいものは、少年の焦がし尽くすような情念よりも、目の前の得たいの知れない物体へと変わっていた。しばらくすると小さな口の群れの中から一際大きな口が現れた。それは少年の前まで移動すると、猿轡の下でただただ呻き散らしている少年の頭を躊躇いなく噛み砕いた。
 私は何も出来なかった。私の思考はこの時には少年の頭と同じように噛み砕かれたと今になって思う。ただ必死に目を閉じたことだけは覚えている。耳に届く食事の音だけで私の全てを摺りつぶすに足るものであったから。~~


物語の最後
~~私が再びこの村を離れる時が来た。あの惨劇から僅かに数時間、一夜を過ごしただけではあるが、どれほどこの時を待ちわびたことか。今もあの化け物の咀嚼音が耳にこびりついている。私の身体が細かく揺れるが、努めて歯を鳴らすことはしなかった。荷物をまとめて自分の車へと足を運ぶ途中、私は「最後に」と決めて村を振り返った。
 ……私はあの時ほどおぞましく思ったことはない。視線の先、村の奥から歩いてくる人影に私は血の気が引く感覚を覚えた。同時に思い出す、あの時恐ろしくて仕方のなかったはずの、あの目を。視線が合う。合ってしまう。そう思ったその時には私は走り出していた。そしてそれからは、もう決して振り返ることはなかった。私は一目散に逃げだした。目を合わさぬように。あの煮えたぎるような怒りの籠った視線を向けられぬように。~~


―――――――――――――――――――――――――――――――――
二巻目・冒頭
~~暗闇の中でワタシは目覚めた。ワタシの身体に伝わる無数の羽音に揺り起こされて。
ワタシには目は無かったが不思議と周囲の様子が分かっていた。夥しい数の蝗がワタシを取り囲み飛び回っている、その様子が。
蝗はワタシが目覚めたのを察すると、急に飛び回るのを止め、ワタシの前に並び立った。それはワタシに傅くようにも見える。ワタシには何故蝗たちにそうされるのかがまるで分からなかった。
 ……それはワタシが何者であるのか分からなかったから。
 とにかくワタシは思いつくままに動いた。何度か暗闇の中で身体を岩肌にぶつけたが、ワタシの身体は柔らかく傷はつかない。しばらくそうして、前方に光を見つける。ワタシがその方へと進むと、蝗たちは何も言わずワタシについてきた。~~


二巻目・その二
~~数日と外をうろついていく内に分かったことがある。ワタシはどうも他の生物とは明らかに存在からして違う―――食事をすることもない。他の者のように眠ることもない―――だからこそ、なおのこと自分が分からない。
何よりワタシを苦しめたのは、時折襲い来る鼓動のような衝撃だった。それが身体を巡る度に何やら己が薄くなっていくのが感じられた。次第に次第に、ワタシが消えていく。意識が火花を散らしながら、白く染まり上がる―――痛みと苦しみのあまり、何か吐き出してやりたいと思ったが、ワタシには口など無い。無いのだが、どうにもニンゲン……と同じ感覚で物事を見てしまう。そうニンゲン、人間だ。ワタシという存在は人間がいてこそ、ということだけは覚えている。意識としても、そして身体に刻み込まれているかのように。

その証拠に。ワタシの消えゆく意識が突如はっきりしたのは。
ワタシが人間と接触した瞬間からだった。~~


二巻目・その三
~~もう意識が朦朧とするのが当たり前になってきていた時、ワタシの前に遂に人間が現れた。二本の足、二本の手。簡素で丈が短い着物を身にまとっている―――複数の人間がワタシを見て、驚嘆と恐怖を入り混じらせた顔をしていた。
ワタシを指さして何かを口々に言っていたようだが、意識が薄れすぎて何を言われていたのかは判然としなかった。そのまま結局何も分からないまま、人間たちはワタシから逃げるように消えてしまった。

次の日にはまたワタシの前に人間たちは現れた。ワタシの前に出てくる人間たちは日に日に数を増していき―――それに比例するようにワタシの意識がどんどんはっきりしていくのが分かった。けれどワタシが何者であるかはぼんやりと霧がかかったような感覚のままだった。

ある日、多くの人間たちを連れた老人がワタシの前に現れた。その佇まいと周囲の反応からして、どうやらその者たちにとって特別な人間らしかった。

……そうだ。あの日から。あの老人と出会った時からだ。あの老人はただ一言ワタシの前で言ったのだ。あれこそがワタシをワタシたらしめた。ワタシの過去を踏みにじるように言われたあの言葉の通りにワタシは為ってしまった。
奴はワタシのことをこう言った。"間違いない、悪食様に違いない"と。その日からワタシは"悪食様"となった。何もなかったワタシの漆黒の身体に無数の口が現れた。~~


二巻目・その四(攻略戦進捗により更新予定)
~~長い文章~~

その他・PL情報
~~
PL名:焼き餃子
活動時間は平日19:00~23:00程度 土日13:00~23:00(例外多々あり)(活動時間外では返信しても置きレス気味になります)

立ち絵・アイコンはヨイコ様の趣味丸出しメーカーで作成させていただきました。感謝!
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