ENo.550 呪術ⅲ教本用:呪われ人格 -童話画廊-

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頑丈な一般人
呪術ⅲ教本用:呪われ人格 Cursed Personality:"Curse iii Teaching Manual"

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性別呪われ時の仮想対象による身長呪われ時の仮想対象による

伝承ひたすらに呪われる宿命のカワイイ被害者

用法教本内で因果が完結し、呪術の練習にピッタリ

Profile

呪われ人格の歴史的功績について

　
…呪術を学ばんとする徒による文脈混淆事故は、
　過去三十年間の呪術教育に於いて、
　あるいは呪術時代とされるここ五十年間に於いて、
　不可避のものと考えられてきました。

　倫理的に些細な懸念を超えて、
　当キャラクターを教本へと実装する取り組みは、
　文脈混淆事故減少への果敢な挑戦であり、同時に、
　呪術とそれを行使する人々の未来を守る希望なのです。…

──『呪術ⅲ』第十二版公開時の編纂者スンチオの声明文より抜粋

大呪術士マチシラとその世代の呪術士以降、世界は文脈革命に呑まれ、
物語、呪文、行政文書、口伝の技術、奇跡の行使の媒介たる神話まで、
あらゆる言語とそれにまつわるものについての、
半ば自動的・強制的な再整備が行われた時代があった。

個人レベルでの呪術の習得が学校教育に組み込まれたのは、
マチシラが『大呪論』を地脈網(ネット)に
上奏(アップロード)した十二年後であった。
しかして、未だ市井には「文脈を大きく扱い再接続する」という
呪術の概念が浸透しておらず、
技術的な不備や人的ミスによって、人命人心が損なわれる事故が起き、
それは呪術を学ばんと志す学生も、まして熟達の呪術技士ですらも、
自ら発した言葉で永遠に思考が捻じれ続けるといった悲劇を起こした。

この状況は(呪術士が高度で便利な技術職であるという現場のプライドから)
半ば黙認されていたが、
異を唱えたのが、ある呪術教本の編纂者であるスンチオであった。
かの呪術士は霊媒士としての知識もあったが、
霊媒界隈に於ける古来からの安全意識を受け継いでおり、
体系の習得に際しての危険を減らすために、世界に働きかけ続けた。

その試みの一環が、呪術ⅰ・ⅱ・ⅲに於ける『呪われ人格』の実装である。
呪術の練習に際して文脈の混淆を起こしうる実践練習は非常に危険であり、
教師がついていても、呪いの過剰定着で物品が汚染されたり、
被呪対象による反射が発生して同教室内に居る生徒が呪われたりもした。
『呪われ人格』は、教本とそれに紐づけて存在する疑似人格であり、
これには呪いを掛けても、本の中で因果が完結する。
疑似人格自身によって、呪いに対しその成否や被呪体の状態が記載され、
呪術の徒は安全にその試行錯誤が出来る。

倫理的に実装を躊躇う声も僅かにあった呪術的疑似人格ではあったが、
現実の人々が事故に侵されるよりはよっぽどマシとの声の方が大きく、
後に教本のスタンダードとして実装され、
また、この試みは呪術人格の分野の先駆けにもなった。