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はじまりと長いお別れ
地の文 Script
性別貴方の望むまま身長貴方の望むまま
伝承同人誌を含む僅かな刊行物の他は、黎明期のネットの書評やニュース記事などの中でしかその姿は見られない。今となっては探して見つかる物ではないだろう。
絶版うまれるまえからきまってしまった。てにとどくことのないものがたり。ほんとうはもう、しんでいる。
地の文 Script
性別貴方の望むまま身長貴方の望むまま
伝承同人誌を含む僅かな刊行物の他は、黎明期のネットの書評やニュース記事などの中でしかその姿は見られない。今となっては探して見つかる物ではないだろう。
絶版うまれるまえからきまってしまった。てにとどくことのないものがたり。ほんとうはもう、しんでいる。
Profile
そこにあるのは地の文だ。
登場人物にとって最も身近な存在で。
最も知覚できぬ存在である。
彼の半身は忘れられ、今はもういない。
物語の登場人物からほぼ認識できない存在で、
靄のような姿にしか見えないようになっています。
読者(プレイヤー)との距離が近い媒体の
キャラであればあるほど、認知しやすくなります。
演劇、ゲーム、TRPGなど→地の文を認知しやすい
小説、漫画など→地の文を認知しづらい
基本的に地の文を認知しづらい媒体のキャラから
地の文に向かって放たれた「」内の言葉は
認識できないか、かなり聞こえづらいものとなります。
会話の際は、独白するように喋っていただくと
地の文は貴方の言葉を聞き届けるでしょう。
例外として第四の壁を認識しているキャラなら
自由に地の文と会話ができます。
時代というのは残酷だ。今より少し進んだ時代。真に才あるもの以外は、もはや地の文をわざわざ自分で考えて、書く必要がなくなっていた。参ったことにAIとやらが出力した文章にちょちょいと手を加える方が、私が朗々と語るよりもずっと素敵に輝くのだ。同僚であった『行間』と一緒に、たといどれだけ技術が発達しようが、我々がいらぬものになることはないだろうと笑っていられたのは一瞬だった。いつの間にか行間の居たデスクはもぬけの殻になっており、私の仕事も大きく減らされ、残ったものは誰にでもできる雑用に留まった。つまり、お役御免というやつである。
暇になった私は、童話の世界の者たちが集まる場所があると聞きつけ、誰が読むともしれぬ地の文を書き連ねている。ここが日記帳でないことなど重々承知しているが、何かに寄りかかることのできぬ地の文というのは、実に寂しいものなのだ。私の文章が必要になる機会が見つけられるとよいのだが。はたしてどうなることやら。
こんなものは全部嘘だ。嘘でも
自分の由来を書いておかねば
気が狂いそうだった。
すべてに忘れられたとしても、ここに辿り着けば、
きっとまた誰かがお前を知ってくれる。
記憶に入れてくれる。
そうすれば少し、少しだけでも永らえられる。
お前はいつも私の文章をなぞって動いてくれたではないか?
なぜ足を止める。消えるな。消えるな!!
消えないでくれ!!
私を一人にしないでくれ!!
どうして私だけが消えず残る?
あの電子の海に残された、僅か数ページが?
登場人物にとって最も身近な存在で。
最も知覚できぬ存在である。
彼の半身は忘れられ、今はもういない。
PL向け情報
登場人物を失った地の文のキャラです。物語の登場人物からほぼ認識できない存在で、
靄のような姿にしか見えないようになっています。
読者(プレイヤー)との距離が近い媒体の
キャラであればあるほど、認知しやすくなります。
演劇、ゲーム、TRPGなど→地の文を認知しやすい
小説、漫画など→地の文を認知しづらい
基本的に地の文を認知しづらい媒体のキャラから
地の文に向かって放たれた「」内の言葉は
認識できないか、かなり聞こえづらいものとなります。
会話の際は、独白するように喋っていただくと
地の文は貴方の言葉を聞き届けるでしょう。
例外として第四の壁を認識しているキャラなら
自由に地の文と会話ができます。
殴り書きの手記
地の文は、自分の仕事に誇りを持っていた。もっとも、この地の文はそれほど有名な仕事をしていたというわけではない。人口に膾炙するような作品に携われるのは極々一部の地の文である。私はうだつの上がらぬ三文小説家の脳内や、片手間で文芸を嗜む趣味人の傍らで仕事をしていた。ちんけな仕事という言い方には語弊がありそうなものだが、実際そういうものに憑いた地の文が私であった。しかしながら、彼らが表現したくてたまらぬ頭の中の世界を動かしていくということは、それがどれだけ拙かろうが私の誇りを支えていたものだった。この履歴欄を御覧の方なら、私の文章力というのは簡単に推し量れるであろうが、それを隠す必要はもはやありはすまい。時代というのは残酷だ。今より少し進んだ時代。真に才あるもの以外は、もはや地の文をわざわざ自分で考えて、書く必要がなくなっていた。参ったことにAIとやらが出力した文章にちょちょいと手を加える方が、私が朗々と語るよりもずっと素敵に輝くのだ。同僚であった『行間』と一緒に、たといどれだけ技術が発達しようが、我々がいらぬものになることはないだろうと笑っていられたのは一瞬だった。いつの間にか行間の居たデスクはもぬけの殻になっており、私の仕事も大きく減らされ、残ったものは誰にでもできる雑用に留まった。つまり、お役御免というやつである。
暇になった私は、童話の世界の者たちが集まる場所があると聞きつけ、誰が読むともしれぬ地の文を書き連ねている。ここが日記帳でないことなど重々承知しているが、何かに寄りかかることのできぬ地の文というのは、実に寂しいものなのだ。私の文章が必要になる機会が見つけられるとよいのだが。はたしてどうなることやら。
こんなものは全部嘘だ。嘘でも
自分の由来を書いておかねば
気が狂いそうだった。
忘れた記憶
諦めるな。すべてに忘れられたとしても、ここに辿り着けば、
きっとまた誰かがお前を知ってくれる。
記憶に入れてくれる。
そうすれば少し、少しだけでも永らえられる。
お前はいつも私の文章をなぞって動いてくれたではないか?
なぜ足を止める。消えるな。消えるな!!
消えないでくれ!!
私を一人にしないでくれ!!
どうして私だけが消えず残る?
あの電子の海に残された、僅か数ページが?
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