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金の贈り物
焦げついた香り  furfural
今は亡き国の王女のための会
性別かがやくもの身長たおやかなほど

伝承おがくず姫

失せもの金の針と夜の海

Profile
「昔々あるところに」美しい娘がおりました。
まずしくもやさしく、あたたかく、うつくしい心のもちぬしでした。
名前を「おがくず」といいます。
毎日雪のように降り積もるおがくずを掃いて、おがくずの詰め物を針でつくろい、父である木挽きを手伝うのでした。

ある日、かき集めたおがくずを布に詰め物をしているところに、王様のつかいがやってまいります。

「王子の外套を縫うために、国中の針子を集めているのだ。おお、そこな娘も来るがいい」

しかし、その夜に「おがくず」は夜道に針を取り落としてしまうのでした。
月の光だけでは探せないほどに細い針を、泣きながら探す「おがくず」の前に老婆があらわれてこう言います。

「かわいそうな娘。お前の父親に伝えなさい、満月の夜に木を傷つけぬことだ。
満月の夜の木は底から凍てついて、炎にくべても燃えぬ力を持つ。
しかし、けして満月の夜に木を傷つけぬことだ。
そうすればお前にこの金の針をくれてやろう」

「ええ、きっと父に伝えます」

そうして、「おがくず」は魔法の金の針を持ち、王子の外套をみごとに仕上げます。
このできばえを気に入った王子は、「おがくず」を王妃にむかえいつまでもしあわせにくらすのでした。
 

 
 
 
 
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