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フルスイング機械
P-381 P-381
性別女性型身長165cm
伝承P型381番:余剰アンドロイドにつき廃棄処分
表情べらぼうに無い
P-381 P-381
性別女性型身長165cm
伝承P型381番:余剰アンドロイドにつき廃棄処分
表情べらぼうに無い
Profile
2XXX年において、国民の3人に1人が高齢者になる問題を解決すべく
介護用アンドロイドが導入された
これにより、特に非正規雇用の介護従事者が解雇される事が懸念されたが、
アンドロイド自体を管理する人間が必要である事や、
生身の人間の方が良いという当事者も存在する上、何より少子化自体も止まる事は無く、
介護現場における人間の需要は未だ存在した
P型モデルは、国がアンドロイド需要を読み違えた事により
余分に生産されたモデルとして有名で、次世代以降のP型モデルは生産数を絞る事により、旧型より良質且つ低価格なアンドロイドとして親しまれる事となる
本機P-381は初期に量産された旧版のP型モデルである
──さて、その後彼女は廃棄処分となった訳だが、
なんかこう、"ワッ"となって"シャッ"って感じで、何か知らんけど自由になる
製造過程で感情データはインストールされているものの、
見た目に反比例して赤ちゃんみてぇな経験値しかない彼女は
ヒナドリの如く人と仕事を探し求め、彷徨い歩く野良無職アンドロイドとなる
アンドロイドヘルパーとしてそこそこの数の現場に出向いたP-381
彼女を初めとしたP型モデルの多くは解体、もしくは中古市場へ流される事となる
P-381は後者の方であり、バッテリーを0にされた後、出品された
中古アンドロイドにしては運良く買い取り手が現れ、
それもパーツ目的でなく介護用アンドロイドを目的としてさる老人に購入された
この老人は生まれつき身体が弱く、妻の介護を受けて暮らしていたが、その妻に先立たれた為、ホームヘルパーの提言もあり介護用アンドロイドを購入する事になった
年金暮らしで新型のアンドロイドに手を伸ばせない老人が旧型の中古アンドロイドに手を出すのは必然で、またこの老人は妻の介護で生きて来た為に機械にも疎く、P-381を初期化処理する事もなかった
P-381は介護用アンドロイドとして老人の介護に従事した
アンドロイドに良くも悪くも馴染みの無かった老人は、
懸命に働く姿や、対話にもきちんと応じる姿を見て、時間と共にこう思う様になる
「孫が出来たみたいで嬉しい」と
P-381としても、自分の役割を全う出来ている事に満足感を覚えていた
そして、老人は息を引き取る
肉親はおらず、アンドロイドにのみ看取られた最期であった
持病もあって楽な最期ではなかった筈だが、老人の顔はそれは安らかなものであった
老人は介護用アンドロイドにこう言い遺した
「俺はこんな身体だから、子どもを生まない選択をした
妻には本当に悪い事をしたよ…謝りに行かなくちゃな」
「頼みがあるんだ
俺達…俺と、妻がこの世に居たって事を、君だけは覚えておいてくれ
初期化処理とやらもしない、だから、君は…
…君には、生きていて欲しい」
不正な野良アンドロイドが生まれるまでの物語である
介護用アンドロイドが導入された
これにより、特に非正規雇用の介護従事者が解雇される事が懸念されたが、
アンドロイド自体を管理する人間が必要である事や、
生身の人間の方が良いという当事者も存在する上、何より少子化自体も止まる事は無く、
介護現場における人間の需要は未だ存在した
P型モデルは、国がアンドロイド需要を読み違えた事により
余分に生産されたモデルとして有名で、次世代以降のP型モデルは生産数を絞る事により、旧型より良質且つ低価格なアンドロイドとして親しまれる事となる
本機P-381は初期に量産された旧版のP型モデルである
──さて、その後彼女は廃棄処分となった訳だが、
なんかこう、"ワッ"となって"シャッ"って感じで、何か知らんけど自由になる
製造過程で感情データはインストールされているものの、
見た目に反比例して赤ちゃんみてぇな経験値しかない彼女は
ヒナドリの如く人と仕事を探し求め、彷徨い歩く野良無職アンドロイドとなる
"ワッ"となって"シャッ"って部分
アンドロイドヘルパーとしてそこそこの数の現場に出向いたP-381
彼女を初めとしたP型モデルの多くは解体、もしくは中古市場へ流される事となる
P-381は後者の方であり、バッテリーを0にされた後、出品された
中古アンドロイドにしては運良く買い取り手が現れ、
それもパーツ目的でなく介護用アンドロイドを目的としてさる老人に購入された
この老人は生まれつき身体が弱く、妻の介護を受けて暮らしていたが、その妻に先立たれた為、ホームヘルパーの提言もあり介護用アンドロイドを購入する事になった
年金暮らしで新型のアンドロイドに手を伸ばせない老人が旧型の中古アンドロイドに手を出すのは必然で、またこの老人は妻の介護で生きて来た為に機械にも疎く、P-381を初期化処理する事もなかった
P-381は介護用アンドロイドとして老人の介護に従事した
アンドロイドに良くも悪くも馴染みの無かった老人は、
懸命に働く姿や、対話にもきちんと応じる姿を見て、時間と共にこう思う様になる
「孫が出来たみたいで嬉しい」と
P-381としても、自分の役割を全う出来ている事に満足感を覚えていた
そして、老人は息を引き取る
肉親はおらず、アンドロイドにのみ看取られた最期であった
持病もあって楽な最期ではなかった筈だが、老人の顔はそれは安らかなものであった
老人は介護用アンドロイドにこう言い遺した
「俺はこんな身体だから、子どもを生まない選択をした
妻には本当に悪い事をしたよ…謝りに行かなくちゃな」
「頼みがあるんだ
俺達…俺と、妻がこの世に居たって事を、君だけは覚えておいてくれ
初期化処理とやらもしない、だから、君は…
…君には、生きていて欲しい」
不正な野良アンドロイドが生まれるまでの物語である
(C) 2022 Hisagi & CloveR Steps.