幽冥の修行の鳴り響く星光の充足


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STR0MAG335AP0タイプ★増幅

AGI0VIT0CP18星座みずがめ座

DEX0MNT10運勢↑↑↑隊列前列

装備ネームノーツ「充足」

獲得理想的な姿(服飾と本)

  毟られた?耳(偽物)

  怪異に対するトラウマと恐怖

  魔女の塗り薬

  怪異祓いの香水瓶

  星空の思い出

  再会を願う心



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「少し出遅れた、かな……?」


No.3518 ひとひら

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>>ノチェ#571121
エヴレン
「ふふふ……
そういうわけだから、さ。
頼んだよ、賢者ノチェブランカ。」

【半ば強引に役目を押し付ければ、
反論を待たずに一歩、後ろに下がって。】

「それでは、またね。」

【そのまま踵を返して、一目散に駆け出した。
そうして物語の紙片を託し、託されながら、
自らの戻るべき場所へ帰る道を行くのだった。】
>>ノチェ#571121
エヴレン
「……続く名前は、次に出会った時に教えようか。」

【面白い企みでも思い付いたように、口角を上げる。】

「何しろ、君は賢者だからね。
知り得なかったことの一つでも残しておく方が、
これから先の楽しみになるだろう?」

【悪戯っぽくウィンクをして見せながら、
唇の前に指を立てて、内緒話のジェスチャー。
貴方の前に、秘密の鍵だけを見せびらかそうと言うのだ。】

「君の言う所の"望むものが手に入る可能性"、というやつさ。
それが決して無くならないことを、君の手で証明して貰おう。」

【その願いは、いつか再会という未来に繋がるだろうから。】
>>ノチェ#571121
エヴレン
「…ああ、そうか。
思えば、初めて話をした時は、それどころでは無かったものね。
と言うより、エヴレンに余裕が無かったのだけど。」

【全く慣れない端末の操作に手一杯で、
あとは用件を伝えるくらいしか頭が回らなかったのだ。】

「ノチェブランカ。良い名前だね。
君のことは、"賢者"として覚えてしまっていたけど……
これからは名前も併せて、記憶しておくことにするよ。」

【噛み締めるように、貴方の名前を口にする。】

「こちらも、改めて名乗ろうか。
君も知る通り、名をエヴレンと言ってね。
そして、続く名前は――」
>>ノチェ#571121
エヴレン
【そうして、貴方が何やら確認したのを見て取って
この後にも用事が立て込んでいることを察する。】

「…どうやら、この後も忙しそうだね?
あまり君を長く引き留め過ぎるワケにも行かないし……
君の言う通り、そろそろお別れの時間にしようか。」

【かく言う自身もまた、去り行く前に
これまでの軌跡を振り返る時間を取ろうと考えており。
両者共に、各々の道に戻るべき時が来たのである。】

「……うん?」

【そうして、いざ踵を翻そうと考えた所で。
何やら思い出したような貴方の声が聞こえて、足を止めた。】
>>ノチェ#571096
エヴレン
「可能性、か……。
そうだね、君の言う通りだと思う。
この場所に来たお陰で、願ってもいなかった
色々な物をエヴレンは手に入れることが出来たから。」

【瞼の裏側に、様々な思い出を想起しながら。
貴方の言葉を、胸の奥へ大事に仕舞い込む。】

「これから先の可能性も……
より多く望んで生きるのも、悪くないかも知れないね。」
>>ノチェ#568374
エヴレン
「逆に、幾つまで……
とも、言ってはいなかったけど。」

【ちらり、貴方の顔を見る。】

「もしかしたら、ね。
ただ一つ、エヴレンが選び取った物だけでは無くてさ。
この場所での思い出も、或いは他の物も……
エヴレンが望むだけ、持ち帰れるかも知れないから。」

【手に持つウサギの耳を、そっと胸元に引き寄せた。】

「君のやり方に倣ってさ。
エヴレンも、エヴレンの選択を貫いてみることにするよ。
どれも等しく、エヴレンが強く望みながら……
エヴレンが、エヴレンの意志で選び取るものなのだから。」
>>ノチェ#568374
エヴレン
「…そういえば、さ。
ふと、思い出したことがあるんだ。」

【何事か、独り言でも呟くように。
ぽつりと言葉を零した。】

「ええと…なんて言う名前だっけな?
この世界を管理してるとか言う、紫色の丸いヤツと、
葉っぱ色の髪をした奴が、最後に話してた内容…なのだけど。
よくよく、思い返してみるとさ。
手に入れた物から持ち帰ることが出来るのは一つきり……
とは、言っていなかった気がするんだよね。」
>>ノチェ#568374
エヴレン
【少しだけ彼我の距離が開く。
思う所があるのか、エヴレンは視線を逸らしている。】

「…………。」
>>ノチェ#568374
エヴレン
「…………。」

【離れ行く手を追うことはしない。
顔を上げて、名残を惜しむように貴方の手を見つめるだけ。】

「……少なくともさ。
君の手指の触り方は、まるで花弁に触れるみたいに……
繊細で、とても優しい指の動きをしていたからさ。
君が、エヴレンの耳を価値の無いモノだと思っていないことを、
エヴレンは感じることが出来たよ。」

【視線を上げて、貴方の顔を見つめる。】

「…だから、エヴレンは君の言うことを信じる。
価値の優劣で、選び取ったワケでは無いことをさ。」

【そっと足を動かして、二歩ほど後ろに下がった。】
>>ノチェ#568374
エヴレン
「……そっか。」

【後に続いた侘びる言葉を受けて、
ようやく、貴方の判断を理解するのだった。】

「そういうことなら…仕方ない、かな。
毟られた耳だけでは、さ。
それをエヴレン自身だと……
そう感じるのは、難しいと言うのなら……。」

【血の通った温もりや、微細な反応の有無。
それらの小さな集合が、生を終えた存在との境を生むことを
エヴレン自身も薄々と感じつつあったのだ。
もっとも、エヴレン自身は敢えて目を逸らし続けていたが……
(その上、毟られた耳が偽物であることにも気付いていなかったが。)
貴方がそうと感じたのであれば、
もはや無視することは適わない事実である。】

>>ノチェ#568364
エヴレン
「そう、そう…上手い、上手い……
そのまま毛並みに沿うような感じで……」

【いざ耳に手が触れれば、満悦の表情を浮かべる。
自信と満足が同居した顔は、すっかり勝利を確信していた。
撫でることを許したからには、虜になる他は無いだろうと――!
貴方が悲壮な様子で手を伸ばしていることには、全く気付いていない。
耳を撫でさせるために、顔を下に向けてしまっているから!


「……?」

【それだから。
貴方が言葉を告げた時には、少しの間、
理解が追い付かずに固まってしまって。】
>>ノチェ#566687
エヴレン
「実際に!
触って確かめてみると良いさ!!」


【再び、エヴレンは猛々しく吠えて。
頭突きでもするような勢いで、自身の耳(本物)を突き出した。
実演によるプレゼンで、貴方の決断を揺さぶろうとする考えだ。
直前に数歩後退していたお陰で、丁度触り易い距離感になったかも知れない。

「言っておくけれどね! 掴んだりするのは駄目だ!
手で包むように、優しく撫でてくれるとエヴレンは嬉しい!

【最後に、幾つか注文が添えられた。
ともあれ、これがエヴレンにとっては
これが最後のアピールの機会になるだろう。】
>>ノチェ#566687
エヴレン
「だからと言って――
エヴレンの耳が、価値で劣るとは思えない!

【エヴレンは、まだ諦めていなかった。】

「例え、武器にはなれなくても……
こうして触ったり、優しく撫でたりしているだけで
身体の底から力を沸かせることは出来るんだ!
もしも、君がそれを理解出来ないと言うのなら……!
>>ノチェ#566687
エヴレン
「ぐっ……!」

【エヴレンは顔をしかめつつ歯噛みした。】

「確かにエヴレンの耳は……
武器には、なれない…かも知れない…………」

【貴方の反撃がエヴレンに痛打を浴びせていた。
しかし、踏み出した足を引く様子は無く。】

「でも、だからと言って――」
>>ノチェ#565869
エヴレン
「やっぱり!
エヴレンの耳の方が良いと思う!!」


【エヴレンが吠えた。】

「エヴレンは君のマスターという人を知らないけど……
そんな何処ででも拾い集められそうな欠片より、
これまでのエヴレンが目一杯に詰まった耳を贈る方が、
絶対にたくさん喜んでくれると思うな!」

【昂る感情のまま、更に一歩前へ出る。】

「だって、この耳は…エヴレンそのままなのだから!
そんな光るだけの何かより……
そんな得体の知れないモノよりも……
ずっと…ずっと、持ち帰るに値するはずだよ!

【エヴレンは、完全に火が付いている様子であった。
そんなもの呼ばわり。
>>ノチェ#565869
エヴレン
「…………。」

【エヴレンは静かに息を吸い込んだ。】
>>ノチェ#565869
エヴレン
「…………。」

【エヴレンは沈黙した。】

「…………。」

【エヴレンは沈黙したまま、
貴方の手の内にあるきらきらの何かを見つめている。】
>>ノチェ#565869
エヴレン
【さながら、自身の熱を冷まそうとするかの如く。
貴方の服の中から取り出された光る何かを見て、
エヴレンは僅かに首を傾ぐのだった。】

「……うん?」

【本日、二度目のネタバラシである。
本来であれば、"もう持ち帰るモノは決まっているのに
あんなにも頭を悩ませることを言ったのか!" とか、
色々と文句の一つも溢れ出て来るべき場面ではあるのだが……】
>>ノチェ#563784
エヴレン
「…だから、さ。どうだろう?」

【先程の様子とは打って変わり。
真摯な思いを視線に込めながら、貴方を真っ直ぐに見つめる。】

「もしも、他に持ち帰るモノが無いのなら……
エヴレンの耳を、一緒に持ち帰って貰えないだろうか?」

【スッと、貴方の眼前にウサギの耳を掲げて見せる。】

「ほんのつい最近まで、エヴレンと共に大きく育って、
エヴレンの為に一日だって休まずに、
ずっと懸命に働き続けてくれた自慢の耳なんだ。
エヴレンそのもの、と言うことは出来ないかも知れないけど……
エヴレンの欠片の一つとして…エヴレンが歩んで来た
道程を照らし出すくらいの輝きは持ち得ている筈なんだ。
まるで、夜空を照らす星のように、さ……。」

【なお、繰り返すようだが偽物の耳である。
偽物ではあるが、エヴレンが疑いを挟む様子は無く、
真剣な表情のまま貴方を見つめ続けていた。】
>>ノチェ#563784
エヴレン
【寂しげに…そして、哀憫に満ちた瞳で
エヴレンは手の中にあるウサギの耳に視線を注ぐ。】

「この耳はね……
とある怪異の手で、無慈悲に毟られてしまった耳なんだ。
エヴレンが余りにも不注意で…そして、無知を正さないまま
怪異の好きにさせてしまったものだから。
護ることすら出来ず、こんな姿になってしまったんだ……。」

【なお、この耳は作り物の偽物である。
エヴレンの耳は、今も頭の上に生えている。
偽物であるが、エヴレンはこの耳も本物だと信じ込んでいた。】

「…本当は、エヴレンと一緒に連れて帰りたいのだけど……
この世界から持ち帰れるモノは、たったの一つ限りだし……。
だからと言って、これから誰も居なくなってしまう
星の上に埋めてしまうのも、余りにも可哀想に思えて……。」



 
 
 
 
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