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>>ノチェ#571121
エヴレン 「ふふふ…… そういうわけだから、さ。 頼んだよ、賢者ノチェブランカ。」 【半ば強引に役目を押し付ければ、 反論を待たずに一歩、後ろに下がって。】 「それでは、またね。」 【そのまま踵を返して、一目散に駆け出した。 そうして物語の紙片を託し、託されながら、 自らの戻るべき場所へ帰る道を行くのだった。】
>>ノチェ#571121
エヴレン 「……続く名前は、次に出会った時に教えようか。」 【面白い企みでも思い付いたように、口角を上げる。】 「何しろ、君は賢者だからね。 知り得なかったことの一つでも残しておく方が、 これから先の楽しみになるだろう?」 【悪戯っぽくウィンクをして見せながら、 唇の前に指を立てて、内緒話のジェスチャー。 貴方の前に、秘密の鍵だけを見せびらかそうと言うのだ。】 「君の言う所の"望むものが手に入る可能性"、というやつさ。 それが決して無くならないことを、君の手で証明して貰おう。」 【その願いは、いつか再会という未来に繋がるだろうから。】
>>ノチェ#571121
エヴレン 「…ああ、そうか。 思えば、初めて話をした時は、それどころでは無かったものね。 と言うより、エヴレンに余裕が無かったのだけど。」 【全く慣れない端末の操作に手一杯で、 あとは用件を伝えるくらいしか頭が回らなかったのだ。】 「ノチェブランカ。良い名前だね。 君のことは、"賢者"として覚えてしまっていたけど…… これからは名前も併せて、記憶しておくことにするよ。」 【噛み締めるように、貴方の名前を口にする。】 「こちらも、改めて名乗ろうか。 君も知る通り、名をエヴレンと言ってね。 そして、続く名前は――」
>>ノチェ#571121
エヴレン 【そうして、貴方が何やら確認したのを見て取って この後にも用事が立て込んでいることを察する。】 「…どうやら、この後も忙しそうだね? あまり君を長く引き留め過ぎるワケにも行かないし…… 君の言う通り、そろそろお別れの時間にしようか。」 【かく言う自身もまた、去り行く前に これまでの軌跡を振り返る時間を取ろうと考えており。 両者共に、各々の道に戻るべき時が来たのである。】 「……うん?」 【そうして、いざ踵を翻そうと考えた所で。 何やら思い出したような貴方の声が聞こえて、足を止めた。】
>>ノチェ#571096
エヴレン 「可能性、か……。 そうだね、君の言う通りだと思う。 この場所に来たお陰で、願ってもいなかった 色々な物をエヴレンは手に入れることが出来たから。」 【瞼の裏側に、様々な思い出を想起しながら。 貴方の言葉を、胸の奥へ大事に仕舞い込む。】 「これから先の可能性も…… より多く望んで生きるのも、悪くないかも知れないね。」
>>ノチェ#568374
エヴレン 「逆に、幾つまで…… とも、言ってはいなかったけど。」 【ちらり、貴方の顔を見る。】 「もしかしたら、ね。 ただ一つ、エヴレンが選び取った物だけでは無くてさ。 この場所での思い出も、或いは他の物も…… エヴレンが望むだけ、持ち帰れるかも知れないから。」 【手に持つウサギの耳を、そっと胸元に引き寄せた。】 「君のやり方に倣ってさ。 エヴレンも、エヴレンの選択を貫いてみることにするよ。 どれも等しく、エヴレンが強く望みながら…… エヴレンが、エヴレンの意志で選び取るものなのだから。」
>>ノチェ#568374
エヴレン 「…そういえば、さ。 ふと、思い出したことがあるんだ。」 【何事か、独り言でも呟くように。 ぽつりと言葉を零した。】 「ええと…なんて言う名前だっけな? この世界を管理してるとか言う、紫色の丸いヤツと、 葉っぱ色の髪をした奴が、最後に話してた内容…なのだけど。 よくよく、思い返してみるとさ。 手に入れた物から持ち帰ることが出来るのは一つきり…… とは、言っていなかった気がするんだよね。」
>>ノチェ#568374
エヴレン 「…………。」 【離れ行く手を追うことはしない。 顔を上げて、名残を惜しむように貴方の手を見つめるだけ。】 「……少なくともさ。 君の手指の触り方は、まるで花弁に触れるみたいに…… 繊細で、とても優しい指の動きをしていたからさ。 君が、エヴレンの耳を価値の無いモノだと思っていないことを、 エヴレンは感じることが出来たよ。」 【視線を上げて、貴方の顔を見つめる。】 「…だから、エヴレンは君の言うことを信じる。 価値の優劣で、選び取ったワケでは無いことをさ。」 【そっと足を動かして、二歩ほど後ろに下がった。】
>>ノチェ#568374
エヴレン 「……そっか。」 【後に続いた侘びる言葉を受けて、 ようやく、貴方の判断を理解するのだった。】 「そういうことなら…仕方ない、かな。 毟られた耳だけでは、さ。 それをエヴレン自身だと…… そう感じるのは、難しいと言うのなら……。」 【血の通った温もりや、微細な反応の有無。 それらの小さな集合が、生を終えた存在との境を生むことを エヴレン自身も薄々と感じつつあったのだ。 もっとも、エヴレン自身は敢えて目を逸らし続けていたが…… (その上、毟られた耳が偽物であることにも気付いていなかったが。) 貴方がそうと感じたのであれば、 もはや無視することは適わない事実である。】 |
>>ノチェ#568364
エヴレン 「そう、そう…上手い、上手い…… そのまま毛並みに沿うような感じで……」 【いざ耳に手が触れれば、満悦の表情を浮かべる。 自信と満足が同居した顔は、すっかり勝利を確信していた。 撫でることを許したからには、虜になる他は無いだろうと――! 貴方が悲壮な様子で手を伸ばしていることには、全く気付いていない。 耳を撫でさせるために、顔を下に向けてしまっているから!】 「……?」 【それだから。 貴方が言葉を告げた時には、少しの間、 理解が追い付かずに固まってしまって。】
>>ノチェ#566687
エヴレン 「実際に! 触って確かめてみると良いさ!!」 【再び、エヴレンは猛々しく吠えて。 頭突きでもするような勢いで、自身の耳(本物)を突き出した。 実演によるプレゼンで、貴方の決断を揺さぶろうとする考えだ。 直前に数歩後退していたお陰で、丁度触り易い距離感になったかも知れない。】 「言っておくけれどね! 掴んだりするのは駄目だ! 手で包むように、優しく撫でてくれるとエヴレンは嬉しい!」 【最後に、幾つか注文が添えられた。 ともあれ、これがエヴレンにとっては これが最後のアピールの機会になるだろう。】
>>ノチェ#566687
エヴレン 「だからと言って―― エヴレンの耳が、価値で劣るとは思えない!」 【エヴレンは、まだ諦めていなかった。】 「例え、武器にはなれなくても…… こうして触ったり、優しく撫でたりしているだけで 身体の底から力を沸かせることは出来るんだ! もしも、君がそれを理解出来ないと言うのなら……!」
>>ノチェ#566687
エヴレン 「ぐっ……!」 【エヴレンは顔をしかめつつ歯噛みした。】 「確かにエヴレンの耳は…… 武器には、なれない…かも知れない…………」 【貴方の反撃がエヴレンに痛打を浴びせていた。 しかし、踏み出した足を引く様子は無く。】 「でも、だからと言って――」
>>ノチェ#565869
エヴレン 「やっぱり! エヴレンの耳の方が良いと思う!!」 【エヴレンが吠えた。】 「エヴレンは君のマスターという人を知らないけど…… そんな何処ででも拾い集められそうな欠片より、 これまでのエヴレンが目一杯に詰まった耳を贈る方が、 絶対にたくさん喜んでくれると思うな!」 【昂る感情のまま、更に一歩前へ出る。】 「だって、この耳は…エヴレンそのままなのだから! そんな光るだけの何かより…… そんな得体の知れないモノよりも…… ずっと…ずっと、持ち帰るに値するはずだよ!」 【エヴレンは、完全に火が付いている様子であった。 そんなもの呼ばわり。】
>>ノチェ#565869
エヴレン 【さながら、自身の熱を冷まそうとするかの如く。 貴方の服の中から取り出された光る何かを見て、 エヴレンは僅かに首を傾ぐのだった。】 「……うん?」 【本日、二度目のネタバラシである。 本来であれば、"もう持ち帰るモノは決まっているのに あんなにも頭を悩ませることを言ったのか!" とか、 色々と文句の一つも溢れ出て来るべき場面ではあるのだが……】
>>ノチェ#563784
エヴレン 「…だから、さ。どうだろう?」 【先程の様子とは打って変わり。 真摯な思いを視線に込めながら、貴方を真っ直ぐに見つめる。】 「もしも、他に持ち帰るモノが無いのなら…… エヴレンの耳を、一緒に持ち帰って貰えないだろうか?」 【スッと、貴方の眼前にウサギの耳を掲げて見せる。】 「ほんのつい最近まで、エヴレンと共に大きく育って、 エヴレンの為に一日だって休まずに、 ずっと懸命に働き続けてくれた自慢の耳なんだ。 エヴレンそのもの、と言うことは出来ないかも知れないけど…… エヴレンの欠片の一つとして…エヴレンが歩んで来た 道程を照らし出すくらいの輝きは持ち得ている筈なんだ。 まるで、夜空を照らす星のように、さ……。」 【なお、繰り返すようだが偽物の耳である。 偽物ではあるが、エヴレンが疑いを挟む様子は無く、 真剣な表情のまま貴方を見つめ続けていた。】
>>ノチェ#563784
エヴレン 【寂しげに…そして、哀憫に満ちた瞳で エヴレンは手の中にあるウサギの耳に視線を注ぐ。】 「この耳はね…… とある怪異の手で、無慈悲に毟られてしまった耳なんだ。 エヴレンが余りにも不注意で…そして、無知を正さないまま 怪異の好きにさせてしまったものだから。 護ることすら出来ず、こんな姿になってしまったんだ……。」 【なお、この耳は作り物の偽物である。 エヴレンの耳は、今も頭の上に生えている。 偽物であるが、エヴレンはこの耳も本物だと信じ込んでいた。】 「…本当は、エヴレンと一緒に連れて帰りたいのだけど…… この世界から持ち帰れるモノは、たったの一つ限りだし……。 だからと言って、これから誰も居なくなってしまう 星の上に埋めてしまうのも、余りにも可哀想に思えて……。」 |
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