鳴り響く魔法使い


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STR0MAG16AP98タイプ★刹那

AGI149VIT0CP13星座おうし座

DEX20MNT50運勢↑↑↑隊列後列

装備ネームノーツ「魔法使い」



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No.207 四月
No.1215 五月

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>>角のある子#493665
天女
「さぁ~!そうと決まったらとびきりのりんご飴屋さんを探すのだわ!
 今日は楽しかったのよ。お酒もおつまみも美味しかったし……肴には少し変な話もすぐ喉元過ぎるわ。
 行きましょトート!」

来た時と同じように浮足立った天女が先導する。

そうして。
目当ての店を見つけたならば、艶やかな赤い飴に目を輝かせて。

「綺麗ね」

そう言って今日を締めくくっただろう。
>>角のある子#493665
天女
「わたしは──天女だもの。
 何者でもない、なんにでもなれるひとにはなれないのだわ」

割れていない風船は降りてこない。
諦めているのか諦めていないのかも分からなくなってしまった。

「でも……そうね。
 どうせこの星空ごと忘れてしまうなら。
 風に任せてたどり着いた場所で荷を下ろしてみるのよ。
 そこにあなたが居たらお願いするのだわ」

たとえそれがその場しのぎの気休めだとしても、最初から虚飾だらけの今は嘘を重ねたって差はないだろうし。
わたしにはもう、特別かそうでないかもどうでもよくなってしまった。
相手が知り合いならば虚空に投棄するよりかまだいい方。
>>角のある子#493641
天女
「ふふ。後悔ばかりね」

どうしようもなかったことにも理想を求めてしまうのは、知性ある生き物の定めなのだろう。
これがある限り道端の石ころにも漂う風船にもなれない。
忘れたいと願うことも忘れたくないと願うことも無縁の存在こそが、やはり理想でしかなかった。

果たして風船の成りそこないに傷がついたのかは袖に隠れてもう見えない。
何もなかったかのようにふよふよ浮いているのだから、きっと穴は開いていないのだろう。
>>角のある子#486915
天女
「応援どうもなのよ。
 ままならないものに成ろうとするのは大変だけれど、頑張るのだわ」

落ちる声音と裏腹に言葉だけが滑った。
結局何も変わらぬまま終わる気もする。
列車は進み続ける一方で、行先はまだ訪れないのかそれとも乗り過ごしてしまったのかも、誰も教えてくれない。
だって手にしているのは、片道切符ではなく自由切符宛知らず。
時間と距離を浪費するだけだったとしても不思議はなかった。
それでも既に帰る道も見失ってしまったから、惰性で進んでいる。
言ってしまえばそれだけなのかもしれなかった。

「さてどうしようかしら……」

くるんと宙返り。
酒瓶をひっくり返しても何も出ない。明日になればまた飲めるが、無尽と言えどもどうやら今は酒も尽きたようだ。

「最後にりんご飴でも買って帰るのだわ。トートはどうする?」
>>角のある子#486915
天女
「…………はぁ」

天女はため息ひとつ。
その微かな風に流されるように、指はするりと解けて手のひらを押して離れた。
唐突に、そして多少無理に離したものだから、握りこんだ爪が僅かに引っかかったかもしれない。
それでも声のひとつあげないで袖の中に仕舞い込んだ。
視線はまた一段高く。
>>角のある子#486915
天女
「う~ん。それとも不器用なだけなのかしら。
 もっと上手なやり方ができたら良かったのに。
 しぼんだ風船をもう一度膨らませたり?」

お互い様かもしれない。
こうやって無責任に言えるのも、わたしたちの距離のお陰だろう。
焦がれるほどの記憶の所為で世界中の何もかもが同じように見える。
遠くて曖昧で、酔ったところでやっぱり同じ。
この星座盤のこともやがて忘れてしまうのだろうか。
星座にならない名も無き星のように、離れれば一等星に霞んで見えなくなるのだろうか。
>>角のある子#474604
天女
凪いだ瞳が揺れる。
とうに酔いの冷めた頬を触れる紅を見た。

「不自由?違うのだわ。自由すぎる・・・・・のよ」

たとえレールが決まっていても、それはどこまでも果てしなく続く。
そして同じレールに乗れない他者は、決まっているレールなのに追いつけない。

「だから──わたしはそう風船になりたい。
 天の果てでも地の底でも構わない。
 今のわたしが不自然だから、自然に、自由になるのよ」

虚飾には何の意味もない。

「こう言えば満足?」

そのために切符を切った。
>>角のある子#474604
天女
「けれど……ああ。わたしも鳥籠が欲しかった頃があったのよ。
 覆いきってしまうには両手でもまだ、小さくて隙だらけなんだもの。
 何かを奪われないように何かを奪うのはいっそ等価交換かもしれないのだわ」

それは会話というよりも、独り言に近かった。
天女はあなたの考えを理解できる。
全部がたらればの終わった話をなぞるに過ぎない。
飛んで行った風船を捕まえられないならば。
それでも星屑のように彼方へ消えた風船が、目に焼き付いて離れないならば。
これはそうしてここに居る。
>>角のある子#474604
天女
空のような青い瞳は熱を失ったみたいに繋がった手を見おろした。
その表情に痛みの色は無い。
あるとすれば無関心と諦観という方がしっくりくる。

「乱暴なのね。それでいてやっぱり勝手なのだわ。
 そうまでして触れてしまうのを怖がるよりも、忘れるのが怖がるなんて。
 まるで危ない鬼ごっこ。捕まったらもう逃げられない。
 傷だらけになってしまうのとどっちが幸せかしら」

繋がりというにはこの手はなんと頼りないことか。
握りしめたその手から先がどうなるかも保証できない。
>>角のある子#469190
天女
「この世界から帰ったら…………」

「天女は・・・そうするのよ」

間を置いた割にははっきり断言するように──もっと言えば決め打ちをするように。
目隠しをしていても必ずやスイカを割れると決まっているスイカ割のように。
水平な視線を崩さないで言い切った。

「わたしがこの世界に来たのは、どこかわたしが行くべき場所に行くため。
 それがどこかは分からないけれど。
 珍しくもないよくある話なのだわ」

>>角のある子#469190
天女
「さぁ。こうして時たま触れられるから足りているんじゃない?」

もしも寒さを知らなければ寒さを耐える必要もない。
他人事みたいに答えて、引っ張られて傾いた体は爪先で地面を蹴ることで元通り。

「お話をしている間くらい勝手に飛んでいかないのだわ!
 迷子の子供じゃあるまいし……
 これって開き直りかしら。随分しっかり握るのね。
 ほんとに怪我したらどうするのかしら。風船も割れちゃうかも?」

子ども扱いには一度頬を膨らませたものの、すぐにお遊びの顔に戻った。
握られた強さにあわせて少しだけ握り返す。
>>角のある子#469190
天女
「無尽のものを節約してどうするのよ……」

天女と鬼でなくてもできる会話。
けれど今だからできる話もある。

「だけど鋭く尖った凶器はないのでしょ。
 懐かしんだってわたしじゃ替えはきかないのだわ。
 それこそこんなところに居る場合じゃないのよ」

果たして御伽噺の真相は如何に。
たとえ届かぬものに触れられたとしても、事の顛末は大抵その代償によって締めくくられるのだから。
幸せとはいつの間にかそこあるもので、失ってかたちを知るもの。
決して誰かから盗んで済む話ではないだろう。
>>角のある子#451750
天女
「どちらかと言えば好き?嫌いでは無いのだわ。
 わたしが宙を泳ぐときって空を掻くの。時々触れた感触が返ってくることに恋しくなるのかもね。
 だけど残念ながら、天女は捕まえられないのよ。
 空に飛んで行った風船が戻ってくるとしたら、割れるか萎むか。
 わたしも同じよ。もしも捕まえられるのなら……わたしは、きっと」

くい、と引き寄せられて、きゃっ、小さな悲鳴。
握った手に力が籠って、飾り気のない指があなたの肌に沈む。
引き寄せた分だけ浮力を失って地面に近づく。
目線は同じくらいの高さでばっちりあって、また顔を綻ばせた。

「ふふっ……ほうき星の尾が掴めるならね。
 というかちゃんと手を繋げるじゃない、トート。
 ほら、怪我もしてない!まだこわい?」

繋いだ手の感触はまだ固く強張っているだろうか。
>>角のある子#451750
天女
少なくとも、天女は自ら羽衣を捨てない。
それだけはどんな御伽噺でも確かなこと。

「足して割ったらお酒が半分嫌いになるのかしら……それは嫌なのよ~」

結局全部が思い通りにはならないし、たらればですらもそうならない気がするのは確かに人間くさいようにも見える。
あなたから見える"天女"像はあながち的外れでもない。

「う~ん。その姿で娘なんて言われてもピンとこないのだわ。
 勝手に一人で思い耽らないでほしいのよ!」

するり。ようやく全ての指が交差して握った。
ありきたりな手の感触と、赤く鋭い先端の感触。
緊張というか、恐怖らしき震えも一緒に伝わってきて、天女は微笑んだ。
あなたの娘はどれくらいわたしなのだろう。
まさか娘が天女だなんて、そんなこと。
──ありえない?そんなこと。わたしは言えない。
>>角のある子#430878
天女
「わたしたち、あたまをまるっと交換したら幸せになれるかもしれないのよ。
 記憶って便利だけれど、肝心なところが不便ね」

電子データみたいにコピーしたり切り取ったりできたらいいのに。
そうしたらみんなお酒だって純粋に楽しめるはず。
こんなもの、毒にも薬にもなりやしない。

「ふぅん。手馴れているし上手なのね。
 でも年下のお願いには弱いのかしら」

狡い子だと言われて目を細める。
子どもっぽく口端に皺をつくって綻ばせた顔は、あるいは重ねた年月の薄さなのかもしれない。
差し出された手に、躊躇いなく触れる。
手のひらをあわせるようにくっつけて、一度あなたの表情を窺う。

「そこは自己責任なのだわ。お互い様、ね?」

指を絡めるのは例外的にゆっくりと、人差し指から一本ずつ。
別に怪我しても構わないのだ。
どちらかと言えば手を繋ぐという行為を楽しんでいるように見えた。
>>角のある子#430878
天女
「人生の楽しみ方は人それぞれ、ということにしておくのだわ~」

憐みの視線こそなくなったものの、わかったわかったと呆れたような声は残った。
羽衣を失った天女がどうなるか。
物語の天女であれば地面を踏みしめることができるかもしれない。
けれどこの世界はただのゲームで、"天女"には地に着ける足もない可能性だってある。
さながら羽衣は、"天女"の輪郭を覆うヴェールのようだ。
だからこそ神秘があり、往々にして暴かれた神秘は薄皮一枚の虚構だったりする。

それでも忘れられないその顔が、影法師みたいにつきまとって離れない。
>>角のある子#428106
天女
「もったいなあい」

諸々をひっくるめて一蹴。

「でも言わんとすることは分かるのよ。
 分かるけれど。わたしには忘れたい思い出はあっても、逆は無くなった・・・・・のだわ。
 有ったら忘れられないから。
「そもそも酔ったくらいで味が薄まるなら、おつまみにもならないのよ。
 だったらお酒は要らないかもしれないのだわ」

酒瓶をひっくり返してラッパ飲みをした。
ぷはぁ~と息を吐き、あなたのお猪口は視線を向けたもののお代わりは注がなかった。
差し出したのは手だけ。

「ん~~なんとまあ普通の反応なのだわ。
 もしかして手馴れてる?
 こんなにあっさり正面から振られるなんて……」

よよよ……袖で顔を隠して泣き真似。
一応半目でもう一度様子を窺った。

「わたしと手を繋ぐのはいや?」
>>角のある子#428073
天女
こう見えて服は羽衣と同じように汚れを知らずひらひらと舞っている。
天女の体は地に着かない。
空の彼方まで、誰の手も届かぬところまで飛んでいくことはあったとしても、望まずに落ちることはない。
あるとすればそれは誰かの手で羽を奪われたときだけだ。
それはよく知る羽衣天女のお約束。

「トート……」

そんなになるまで……と言いたげに気の毒そうな声。
こんなところに居る場合じゃないのでは、と思わなくもない。
あなたにとってはただのゲームでしょうに。

──そういえば。
こんな顔をどこかで見たことがある。
大事にしていたものを失くしてしまったときに、また買ってあげようかと聞いた時の、『いいよ』の顔をした"天女"だ。

>>角のある子#412273
天女
「う~んと。じゃあ」

手を繋ぎたいわ、わたし」

袖を引く手の近くにすっと手を差し出した。
冗談か本気かさておき。
どんな反応が返ってくるだろうか。
>>角のある子#412273
天女
「あなたって」

呼び込みの声。鉄板で何かを焼く音。
喧騒と隣の平坦な声をミックスしながら聞いていた。
視線は遠く出店の終端を見つめていた。
普段の星の海とは異なる熱気をうつしたような火照った頬は、帯びた酒精の証拠。
しかし次に紡いだ言葉は落ち着いた涼やかな音。

「いろいろともったいない考え方をするのね。
 つまらない、って言うと失礼かしら。
 お酒の楽しみ方は人それぞれとは言うけれど、それじゃあまるで薬か……そう、毒みたい。
 好きなのか嫌いなのかもはっきりしないのは、トートにとってどちらもそうだからねきっと」

宙に頬杖をつくような格好で視線を戻す。

「それにお酒に対してだけじゃなくて、そういうところも!」

なんだかお付き合い初めましての男の子みたいな生真面目さ。
さすがに口には出さなかったけれど、細めた瞳は悪戯っぽく笑っていた。
その表情のままお望みのリクエストをひとつ。



 
 
 
 
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