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>>エル#526919
ユキヤ 大丈夫そうな音が聞こえる。火傷の心配はなさそう。 そもそもゲームの中なのでそんな事は起こらないか。 「それもそうか」 「……お口に合いましたか」 などと言いながら、 既にボウルに卵を割り入れている。両手で。 料理って途中で止まったら その後のやる気が無くなってきませんか? つまり、止まると死。個人差があります。 塩を少々加えて泡立てないようチャカチャカ混ぜる。 卵白の塊はすくって切るように。 「……後は詰めるぐらいしか 手伝って貰う事が無いと思う」 弁当箱を出してくれている貴方に「助かる」と言いつつ 四角いフライパンに油を敷いてコンロにセット。 卵って焼き加減が難しいんだよな……。
>>エル#526817
ユキヤ いつか、好きでも嫌いでもなかった料理が 好きになるかも。掃除の次に。 人生って余裕があると楽しいな。知らなかった……。 「はい」 ごぼうとにんじんをつまんで、 「あーん」 左手を添えつつ口に運ぶ。 少し間を置いてから、 四等分したアスパラの肉巻きも放り込んだ。 「あ」「熱かったらごめん」 感想を待たずに卵と四角いフライパンを取りに向かう。 炊き込みご飯は炊飯器が鳴るまで待てば良いし 卵を焼けば、弁当作りは殆ど完成したと言える。 後は弁当箱も引っ張り出さないと。 ご飯なんてさっさと作るに限りますからね……。
>>エル#526755
ユキヤ 「じゃあ、そうしようか」 「味噌にも色々あるし」 赤味噌とか白味噌とか。 味噌汁系に限っても種類は多いので 他にもこうして興味を持って、試して、 寄り道もたまの失敗も楽しめるといい。 ……考える事も、貴方となら楽しめると思うから。 貴方が豚汁を仕上げている間に、 こちらもきんぴらをつついてひとつ摘む。 いつも食べ慣れた味だ。失敗はしてない。 フライパンふたつともの火を止めた。 それからやっと「どうも」と、 小皿を受け取って口に含む。…… ……。 豚汁って温かいし安心する味がする。ほう、と顔が緩んだ。 「……うん」「良いと思います」 「こっちも食べる?」 菜箸できんぴらとアスパラを示す。 差し箸。ちょっとお行儀が悪い。
>>エル#526685
ユキヤ 「あ」 いつの間に。 「うん」 と頷いて。 横の鍋を一瞥。残りの味噌も溶きたいけれど 今自分の手はきんぴらとアスパラを炒めているところで…… 「……さっきと同じくらいの量で」 「味見してみて濃いなら減らしてもいい」 「……任せてもいい?」 ちら、と貴方を見る。 ひとりだとRTAにしかならないが ふたりだとこんなやり取りも楽しい かも。 「いいよ」「邪魔じゃない」 「あなたが面倒じゃないなら」
>>エル#526684
ユキヤ もうすっかり貴方と遊んで、貴方のそばに居て 貴方との未来を描くのが当たり前になったけれど あの夏祭りの日は、まさかこうなるとは思わなかったな……。 「味噌汁と豚汁の違い……」 「……具材の多さ?」 何でしょうね。そこまで考えたことが無かった。 いつも手早く作って食べられればそれで良かったので。 「考えてみると確かにそうだ」 「……そのうち、色々試してみようか」 「きっと楽しい」 味噌にも種類があるし、具材もそれぞれ。 ふたりの未来が続いていくなら、 こんなささやかな実験だっていくらでも出来るし。 選ぶことが、試すことが、……未来が楽しみだと思う。 ▼
>>エル#526652
ユキヤ 「疑ってた訳じゃないけど」 「……」 「頼りになります」 ほんとに出来るんだあ……とは思った。 もう後は焼いていけばどうにかなるので フライパンをふたつ出して、ごま油とサラダ油を それぞれ敷いて先にあたため始める。 かたい皮を剥いたアスパラに豚肉を巻いて ぎゅっとしてからサラダ油の方に置き、 ごま油の方にはささがきにしたごぼうとにんじんを投下。 広いキッチンはコンロも多くて助かる。 何の力が働いているのかは知らないが、 フライパンが温まるのも早い。これが魔法なのか? 「ああ、確かに」 「狭くても詰めたら……」 どうにかならんか。 「……まあ、無理にとは言わないし」 きんぴらと肉巻きアスパラのそれぞれに こっちは醤油がこのぐらい、こっちは胡麻も入れて、と 目分量で調味料をそのままぽいぽい入れていく。
>>エル#526651
ユキヤ ゲームに対する不安は大きい。 もしどうにもならなかったら、と考えてしまうし ログインすら出来なくなったらどうしよう、とか。 ……想像に意味はないと分かっているから 「さあ」といちど瞳を伏せた。 貴方は嘘吐きだけど、吐く意味も理由もある。 それは自分には理解の及ばないことが大半だけど 嫌だとは思えないのがまた厄介だ。 貴方が楽しそうにしてるなら、それがいいよ。 「カレーも先に炒めるし……」 「なんか……美味しくなる……」 料理は科学らしい、が。 知識を入れるよりも先に試行錯誤を繰り返し 経験上美味しかったから、そうしている……。 なのできちんと理解してそうしている訳ではないが 恐らく答えは貴方の予想する通りだ。 サラダ油ではなくごま油を使うのも この工程だとこっちの方がなんか美味しいよな……と思って使用している。雑。 ▼
>>エル#526047
ユキヤ 「……ふふ」「はい」 「早くクリア出来るようになると良い」 貴方は普段は平気で嘘を吐くけれど、 これはちゃんと分かるし、伝わっている。 見えないものを確かめる為には言葉って大事だ。 今はちゃんと、そう思える。 汚れてるところをガッと綺麗にするのが結構好きだ。 ひとの家でありいずれ自宅になる場所の掃除、楽しみ─── 「なんか美味しく変わる……」 「昔何かで見て、……ええと」 「味に深みが出るとかだった筈」 料理とは、レシピに従うべきもの。正しい。 貴方にぴとりとくっ付いて、灰汁が掬われていく鍋に お玉と菜箸をそっと入れて味噌を溶かす。 「味噌はまだ入れるから」第二弾の予告ののち、 RTA走者はポテトサラダを冷蔵庫に入れに離れた。 「どうも」 「あなたは特に器用だし 目を離せて助かる」 「……一緒に料理するのも楽しいな」
>>エル#525524
ユキヤ 「うん」 「……エルも嬉しい?」 たぶん、貴方も頷いてくれるだろうけど 自分も言葉が聞きたいから、そう問うた。 「口に合うなら良かった」 食べてくれる人が目の前に居るだけで作り甲斐があるし きっと楽しい日々になると思う。 結果的に、家事に慣れておいて良かった。 料理より掃除のほうが好きなので、密かにそちらに思いを馳せている。 ひとのうちのシンク掃除するの楽しみだなあ…… 「焼き色がつくまでは炒めなくていいけど」 「結構味は変わると思う」 薄い玉ねぎが透明になりきらない頃、 横から豚肉とこんにゃくも放り込んだ。 お肉の色が変わってきたら水と出汁を入れようか。 それにしても。 「……エルって何でも出来るな」 手際がよく、大根と玉ねぎもちゃんと豚汁向きの切り方だ。 こちらが何をしているかを見た上で 何が必要かを察してくれるし。助かる。
>>エル#525056
ユキヤ 「……」 そんなの聞かなくても分かる筈だ。 けれど言葉にする事に意味があると知っている。 「そう」「エルが大好きで、」 「手料理を食べて貰えたら嬉しいし」 「一緒に食べると楽しいから」 ポテトにきゅうりとにんじん、ハムを加えて混ぜれば 菜箸でちょっと摘んで、「はい」と貴方の口元に持っていく。 シンプルな味でやや温かいポテトサラダの完成。 え? ゲームだと目が痛くならないんですか。 どれどれと更に貴方の方に寄って手元を覗く。 「…………」 「………痛く……ない……!」 ゲームって何でも出来るな……。 なんて感動しつつも手は動かす。料理はRTA。 鍋にごま油を敷いて、ごぼうとにんじんを放り込んだ。 豚汁は具材を先に炒めると美味しいらしいので、 「切れたらここ鍋に入れて炒めて貰えるか」 |
>>エル#524884
ユキヤ 「まあ良いか……」 後でちょっと痛いだけだし。 実は衛生面にとやかく言うつもりはそこまでない。 貴方の食べる物に自分の髪を入れないように、とか 貴方の服を汚すといけない、とか 気にするのはそんなところなので。 こんな見た目と異能だが、調理が好きな訳ではない。 家計を圧迫し過ぎず健康な物を食べようと思うと 必要なのでそうしていたし、今後もそうするつもり。でも。 「やり甲斐もあるよ」 「あなたと一緒に食べるものだから」 どすどすといもを潰し、マヨネーズと塩胡椒を混ぜる。 さっさと切っておいたので、あとはもうほとんど 混ぜたり焼いたりするくらいだけど。 ……そういえば後からメニューを増やしたせいで 切れてないものがあるな。 「……大根と玉ねぎ、を」 「切って貰えると助かりますが」 「無理にとは……」 目が痛くなるし……。
>>エル#524818
ユキヤ 「髪が入るとよくないし」「……」 「落ちないか……?」 気付き。 ゲームの世界は便利だけど、 どこまで融通がきくのかがイマイチ不明。 ので、結局普通に調理をしている。 「そう……!」 「好きに作っていけるのは 楽しい」 どれとどれは一気に使えないとか、 そんな事を考えずに好きにやれるのは嬉しい。 表情は普段とそう変わらないが、機嫌が良い。 「飲みますか」 にんじん。ごぼう。豚バラ肉。この辺りが手元に 揃っているならついでに豚汁も飲みたくなる。 あらかた下準備を終えれば、寄ってきた貴方を一瞥。 良いキッチンなので、嬉しげに笑った。 「暇になった?」 じゃがいもを潰し始める。 邪魔ではないけど「熱いから触らないように」、気を付けて。
>>エル#524629
ユキヤ 普段エプロンを着用しない人からすると ヒラヒラして邪魔かなって……。 「後で痛いと思う」 ヘアゴムなんて持ち歩いていないので。 最悪唐揚げが落ちるだけ。雑。 「ブレーカーを気にせず使える……」 でかいキッチン良いな。機嫌よくレンジ音を鳴らす。 レンチンってショートカットに分類されませんか? 下茹でが楽だし皮が剥きやすくなるし。バグではないけど。 温まった野菜に包丁をトントン入れたり味を付けたりする。 ゲームだしこの工程も省略出来るんだろうか。まあいいか。 そのうち貴方の方にほかほかの鮭を置いた。 「出来たらお米と一緒に炊いておいて」醤油と出汁も置く。 これだけ揃っていれば、あれも作れるな。 味噌を物色し始めた。 「……豚汁も、あったら飲む?」
>>エル#524518
ユキヤ おしまいフルコンボで、嘘吐き意地悪人でなし。 いつ何の気が向くか分からないので…… 「普通のきんぴら……」「はい」 好き嫌いしない貴方のことなので、こだわりも無いだろう。 もし嫌な物があっても途中で声を掛けて来るだろうし。 「……邪魔になったら脱いで良いので」 タコらしきものが描かれたエプロン。 白い服が汚れてはいけないと思ったけど ゲームの中なのであまり関係なかったかも。 パーカーのフードを脱いで、少し高い位置で髪をまとめれば 輪ゴムで髪を縛った。後で絡まって痛いかも。まあいいや。 さっさと手を洗って鮭やいもを掴む。調理とは効率。RTA。 「……お米を研いで下さい」 「そっちのしめじの下も切っておいて」 一通りは出来るのだろうし、 もし出来なくでも器用さでどうにかしてくれそう。 その間に俺は野菜という野菜をレンチンします……
ブンブン!!
駆け抜けている。
>>エル#524219
ユキヤ 一度動き出したら止まらない可能性があるから─── 秋らしいさつまいもやカボチャが目に入る。 ゲームの世界なので、ある程度季節感を出しつつ 夏野菜や冬野菜なども不足のない品揃えだ。 炊飯器よし。良いフライパンよし。調味料も充分。 物色ついでに冷蔵庫を開けて鮭やしめじ、 それから野菜の類を取り出し作業スペースに並べていく。 「きんぴら」 貴方の視線の先にあるごぼうを手に取った。 後はにんじんとごま油も。 「作れるけど」 「凄く美味しく作れる訳でもなく」 「普通の味だと思いますが……」 お袋の味でもなければ、一流の腕も持たず 良くも悪くも手料理レベル。と、予防線を張っておく。 「……あ」 じ、と貴方を見つめ。 自分の着ているエプロンを脱ぎ、「ん」と差し出した。
>>エル#523911
ユキヤ 「食べないけど、」 「…………」 「分かった」 食べないけど、貴方が食べるなら作ってあげたい。 が、本気で好き嫌いが無さそうなので 勝手に作って反応を伺うことにしよう。 特別美味しいものが作れる程の腕ではないのだけど ……誰かに食べて貰えるのは嬉しい かも。 「アスパラの肉巻きとか」 「そういうのにしようか、……」 なんて言っている内に手が動き出してしまった─── くるりと背を向けて、片手で貴方の手を掴む。 この手に暇を与えてはいけない……。 「行こう」「早く行こう」 「ここは足場も悪いし」 流石にここからポラリスまでは歩くと遠いか。 空いた手でスマホを操作して、移動コマンドを選択すれば 貴方と共にこの場を後にする。ゲームって便利だ……。 ▼ |
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