はじめまして


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STR150MAG0AP0タイプ★覚醒

AGI60VIT0CP15星座ふたご座

DEX94MNT30運勢↑↑↑隊列前列

装備ネームノーツ「先生」

獲得通常ノーツ「終わりなき」

  ネームノーツ「未来」



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アタッカー。記憶喪失のメカと人間のコンビ。雷霆。ノーツに迷い中。


No.1900 『石』

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タヴィロサ
「――♪ ――……♪」

 まあるいのが歌っている。
 そろそろ旅もおしまいだ。
 やるべきことは決まっている。
>>かげさん#543196
サクラ
「はい。
 ありがとうございます、ヘルガさん。
 お話しできて、食事に付き合ってくれて、嬉しかったです」

 なるべく、落ち着いて。
 悲壮感を滲ませないようにして。

 片付けを終えて、深く一礼を。

「それでは。
 ええっと、はい――こうしましょう」

「行ってきます」

 別れの言葉に、それを選んで。
 男はもう一度だけ、あなたと視線を合わせました。
 ――そして、拳を握って、踵を返すでしょう。
>>かげさん
サクラ
「はい」

 あなたが美味しそうに食べてくれて、
 男はとても嬉しく思いました。

 ――そう、人、ないしその他の者と、食事をした時、
 こういう気持ちになるのが、男は好きだった。

「……ああ、本当に、良かった。
 悔いなく、進めそうです」

 空になった器を置いて。
 どことなく、寂しそうに笑うのでしょう。
>>かげさん#539658
サクラ
 石を受け取り、小さく頷きます。

 しばらくもくもくと食べてーー
 食事も終わりかけのころ、ぽつりと言います。

「うどん、は…
 よく、姉さんと食べました。
 同僚とも。

 だから、これは。
 僕の、平和とか、安らぎ、とか…
 そういった類のものなんです」

「……おこがましいですが、
 ヘルガさんの記憶に残ったら、僕としても嬉しいです」
>>かげさん#539144
   
 かざせば、きらりと光る。

 普通の宝石に似ているが、何処か違和感がある。

 耳をすませてみると――
 石から、話し声のような、掠れた鐘の音のような、
 不思議な音も聞こえるでしょう。

 魔法的な力を感じるが、同時に聖なる力も感じる。
 もしかしたら、邪の力も感じるかもしれない。
 ごちゃ混ぜで、力の本質が何処にあるかは、
 よく分からないだろう。

「元の世界に戻れば、何か分かるかもしれませんが…
 今は、分からないですね。
 似たものを、見たことはありませんし…」
>>かげさん#538904
サクラ
「美味しいですか? 良かった」

 ほっとして、はにかむ。

「ああ、この石、ですね……
 なんでも、願いを形にする石、だとか……」

「…………、
 実は、最近戦っているときに、
 何処からか落ちてきていたのを拾っていたんです。
 まさかこんな不思議な力を
 持っているとは、思いませんでしたが。
 他には……金剛石のような形も持っていました」

 もぐもぐ。

「手に取って、見ますか?」
>>かげさん#538833
サクラ
「あー、どうでしょう…
 あんまり気にしたことなかったですね…」

 根付いた文化にあまり疑問を持ったことがない…

「こう…」

 するするっと箸で食べて見せて――

「…こんな感じで…?」

 改めてやってみるとぎくしゃくしてしまう。

「ま、まあ、
 ここには僕とヘルガさんしかいませんし、
 お好きに食べちゃってください」

 赤くなった顔をごまかすように、
 あなたに食事をすすめました。
>>かげさん#538132
   
 ごとっ

 と音と共に、近くのテーブルの上に、
 出汁の香りが特徴的な、食事が二つ、現れました。
 ついでに箸とフォークも。
 あつあつなのか、湯気が立っています。

「これが――
 僕にとっての思い出の味、というやつで。
 それを、ここでの思い出として
 共有してくれませんか?」
>>かげさん#538132
サクラ
「ええっと、東方の汁入りの麺、ですね。
 スープに入ったパスタみたいな……?
 僕の郷土の料理、なんですけども」

 男が取り出したのは、
 手に握りこめるほどの小さな石。
 あなたが魔法に長けるなら、
 これにはそういう類の力がありそうに思えます。

「後はそこに、海老の天ぷらが乗ってて…
 かまぼことか…葉物とか…」

 つらつらと説明が続き――

(→)
>>かげさん
サクラ
「ありがとうございます」

 ようやくそこで笑顔を見せて、男は頷きました。

「……ヘルガさん、あの。
 もう一つだけ、お願いがあるんです」

「…………」

 緊張をはらんだ、深呼吸の音。

「一緒にうどんを食べてもらえませんか?
 用意は――あるので」

 突然の申し出である。
 そもそも、うどん。得体の知れない食べ物かもしれない。

>>かげさん#536555
サクラ
「…………」

 どのくらいそうしていただろうか。
 ふと、男は顔を上げた。
 ごしごしと顔を袖で拭っている。

「すみません……
 情けない所を……見せてしまいました」

 そこは男として、譲れないところではあるらしい。

「ありがとうございます、ヘルガさん」

「……正直、
 これからどうなるかは分かりませんが。
 ……どう、なるんでしょうね。
 本音を言えば。不安です」

 そうして空を見上げて。
 このゲームのクリアと共に、彼らの物語は動くのだろう。
>>かげさん#535529
サクラ
(→)
「僕は、いつも・・・あなたに助けられてばかりだ……」

 帽子を深く被って、表情を隠す。

「でも、だからこそ――
 あなたが、許してくれるなら……
 生きようと、足掻けます。
 未来を、望もうと、思えます」

「…、あっ、いやっ、こっちを見ないでください、
 僕今酷い顔を…
しています…

 確認すれば、はらはらと泣いているのが分かります。
 顔を覗き込もうとすると逃げようと顔を反らしますが。
>>かげさん
サクラ
「……」

「いいんですか? 本当に――」

「僕が、僕だけ・・が……
 こんな奇跡のようなもので、生き延びてしまって」

「許して、くれるんですか……?」

 それは滲んだ、
 あなたの感情を汲んだからこそ、出た言葉。

(→)
>>かげさん#535128
サクラ
「…………」
「しにたく、ないんです」

 ぽつりと。

「でも、それを願っていいのか……
 分からなくて」

 この男は疲れているのだ、とあなたは思うかもしれない。
 願うことすら、難しいほどに。
 ――元の世界での何かが、あまりにも苛烈だったから。

「願っても、いいんでしょうか。
 それを――僕ではない誰かが、
 許してくれるのでしょうか」
>>かげさん#535038
サクラ
「そう、ですね……
 いつ死んでもおかしくない仕事をしているので、
 覚悟のようなものはありましたが…
 ここから、生き残る方法なんて本当にあるのか、とは。
 正直――諦めは、あります」

 そう言って、帽子で表情を隠しました。

「だからこそ、追加時間のようなものを頂けたと思って
 楽しむだけをしようと――してた、んでしょうね。
 足掻くことも、しようとしないで」

 記憶は自ら封じていたのにも等しい。

「……でも、信じられないこと、ですが。
 連れは、タヴィロサは……
 まだ、諦めていないようなんです。
 僕の生存、を。

 どうするかは――まだ、教えてくれないんですが」
>>かげさん#534333
サクラ
(→)
「……僕の本心としても、
 そんなこと思い出していいものか、と
 思っていたんでしょうね。
 だから、きっと、思い出さないようにしていた…」

 そう告げる男は、とても落ち着いているように見えるでしょう。
 あの苦しげな様子は、見えません。
>>かげさん#534333
サクラ
「あー、その……えー……」

 気まずそうな、困ったような。

「じ、実は……
 庭の後、僕の世界は未曾有の大災害に襲われて…
 それを解決しようとした結果、
 僕、今、現在進行系で死の淵にいるんですよ…」

 わけがわからないでしょう? と続けた後、
 それでもあなたに話しておかなければと思ったと、
 穏やかに笑いながら言います。

「死までの瞬間を切り取られて、
 このゲームに参加しているらしいんです。
 僕の連れが、そう、望んだから」
(→)
>>かげさん#533412
サクラ
(→)
「……」

 あなたが座った後。
 少し、間がある。

「……結論から、言います。
 連れと、話し合った結果、なんですが。
 記憶が戻りました

「それで…あの…
 その…まず……
 に、庭でお会いした時…姉さんと間違えて、すみません…」

 その言葉には、あなたのことと同時に、
 彼の家族を思い出したという証拠でもありました。

 その顔には「やってしまった」という過去からの照れ、のようなものがあり、
 同時にあなたを真っ直ぐに見る、余裕のようなものがありました。
>>かげさん#533412
サクラ
「ヘルガさん」

 あなたに気づき、声をかける。

「お久しぶりです。
 ええ、僕は変わりなく。

 ……いや、これはちょっと、違うかな」

 微笑んで、自分の隣を示しました。

「座ってください。
 きっと、長くなってしまうので」

(→)
>>かげさん
サクラ
男は藤棚の下にあるベンチであなたを待っている――

時々無表情で端末を見ている。
だがそれは、けっして悲壮感のあるものではなく。
前回会った時より、
落ち着いているように見えるかもしれない…



 
 
 
 
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