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>>渇(カワキ)#567421
遥空イチハ 「あっ、ちょ、待ってよ~!」 暗がりを歩いていく貴方に向かって 慌てて付いて来る生徒の声が聞こえた。 「てか暗すぎ――て、えぇっ!?」 夜空ばかりなのだから。当然というか。 近付いてきた音が足を滑らせてしまった。 貴方がそれに反応する前にとんと 人が軽くぶつかってくる重みが背中にあって。 ▽
>>渇(カワキ)#563977
遥空イチハ ――その上で。 「……やっぱり」 「なんでもない」 「なんでもないことにして……いい?」 この誓いの全てが満たされるのは 互いに果たすべきことを済ませた後。 特別な褒美として取っておきたくて。 ▽
>>渇(カワキ)#563977
遥空イチハ 「――――~~……」 暗がりに浮かぶ淡い青色に視線が惹かれる。 頭が真っ白になって熱に浮かされたような感覚。 何度か言葉を重ねて、もう十分過ぎる程の誓約があり。 その上でこの『約束』の形は、最早執着ですらあった。 これが片思いであれば、"あ~あ・・・"なんて思いで いつも通りにできていたかもしれないのに。 彼の指にはめられた答え合わせが 卑怯なほど心を堕としていく。 ――差し当って。 これから見せる回答がなんであっても 正解になってしまうことが分かるから。 「―――ずるいよ」 ▽
>>渇(カワキ)#563977
遥空イチハ つい先ほど自らの指に現れたそれを 眼にした時と殆ど同じように 風を切るような音が喉から零れた。 (え) (や―――) "それ"の意味を今誰よりも理解できるのは遥空イチハだ。 思考に一本線が通ったように状況を汲み取ると 背筋を撫でられるようなぞくぞくとした感覚が走った。 (ちょ) (待―――) 咄嗟にお腹を両腕でぐっと抱くようにして 何かに耐えるように体に力を入れた。 ▽ |
>>渇(カワキ)#556747
遥空イチハ "それ"とは。『約束』のノーツとは。 海老原湿という男性は 遥空イチハという少女に 無意識に自然に思うように "どのような形で" "どのような場所に" "どのような意味を以って" 与えたいと思うでしょうか。 あるいは。 ――どうやって約束する? ▽ |
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