福音麻痺の華やかなドリフトキング
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MAO
───寝て、起きて、起きて、寝て。 意識が飛んでいたと思ったらとんでもなく日数が進んでいた。 接続が不安定なのか、それとも。 「……」 以前より、思考が安定している。 アバターはともかく、心だけが穏やかだ。
>>みぃ#512092
MAO 抱き着かれて、躊躇いながらも抱き返した。 きっとそれは幼い娘の姿でも、リアルの姿でもできない事だったと思う。 髪を撫でて、無邪気にそういう君の最期に手をかけている事も知らずに頷いた。 「うん」 「クリアしたら、だっけ。もうすぐだから」 急く指がページを繰って、セーブのしおりもないままに読み進めていく。 あと少し。あと少しで、MAOは理想と現実のギャップを知り、君に向けた銃口が己の手に握られていた事に気が付くんだろう。 でも今は知らないままで、惨めな己に舞い戻るのかどうかなんて思考も巡らせず。 ただ。 瑕疵のない明日を脳裏に描いていた。
>>みぃ#512074
MAO そう。一つしかない椅子に、自分という主張を投げ捨てても座りたかった。 それは投げやりな自殺だった。 君が掌返しても、それはそれでMAOにとってはよかった。 死ぬのは怖かったけれど、惨めな自分に死ぬより怖い明日が来る方が辛かった。 回避なんか、出来ちゃあいなかったが。 「うん」 ぎこちなく笑って、君の柔らかな髪に指を通そうとした。 へにゃ、と弱弱しく笑うのはやっぱりMAOの外装の向こう側の己で。 しかし、二周目は来ないのではないか。 祈っても。祈らなくても。クリアデータはひとつだけ。 「たのしみだ」 ね。 |
>>みぃ#511996
MAO リセットでしかない。それは。 最も、MAOはそのボタンがある事も知らない。から、結局はIFの話。 「ん、あ、な、なに?」 少なくとも今は。 幸せだっただろう。 慕った女の子に触れられて、自己肯定感を満たされて、特別扱いをされて。 正しく恋愛、ではないにしてもシミュレートはできている。 世界で二人。モニタに二人。閉ざされた関係性。 「わ」 ぱっと白い頬が赤くなった。 瞳にちかちかと星が瞬くように羞恥が走る。 次に、言いようのない喜びが表情に浮かんだ。 互い、知らせる気もなく、探る気もなく。どうなるかも考えもせず、今のスチルを埋めている。 それはきっと、勘だけで選んだルートをクリックして祈る作業に似ていた。少なくとも、MAOは。
>>みぃ#511910
MAO ああいうのはやり直しが聞いて、セーブデータがあって、試行錯誤が許されるから成り立つ話だった。 そしてステラボード、ひいては君はやり直しと言う猶予がない。 「そうだった?」 なら、良かったな、と思う。 思いつきでも、嫌われたくなかっただけでも、足元に縋りつくように差し出した己の命に価値があったような気がした。 それ以外なかった。差し出していいものが。 「ん、ん、そうだね」 「幸せ……だね」 君が。 幸せなら他人の幸せなんて知らないとMAOの中身は思う。 オタク特有の視野の狭さ、思考の閉塞。 ここはゲームだが、リアルでもあるのに。しかしPLとNPCの関係としては一種の正しさがあるのかもしれない。ひねくれた話。
>>もふ#493904
MAO MAOとMAOの中身は、非常に物理的な手段を持って強引に人格を分けている。 しかし根底は繋がったままだ。 精神的な病による多重人格というよりは、やはり本人の演技でしかない。 上手く変われればいい。悪質な責任の沼から抜けるのには自分の意思が必要だとお互い理解しているからこそ。 MAOはこれから、何が来るかはわからない。分かっているのは、彼女は少なくともハッピーエンドを迎えるということだけ。 『どんまいって言うよ』 文字はどこか、そっけなく。 それでもどこか、同病を憐れむ者としての感傷が滲んでいた。
>>もふ#493439
MAO でも。 MAOは違う。これからは違える。違うようになりたい。 被害者であることを憐れんで己を慰めるのを、やめたかった。 本当は一番わかっている。己のやり方が、みっともなくて情けない事。 きみとちがって、MAOの中身はまだそれは受け入れることはできない。受け入れてしまったら、今やっていることが全て無意味になる。 彼女の必要に答えてやれない。 『えらいね』 『すごいよ。……うまくいくこと、願ってる』 文字ばかりが易しい。アバターと中身がきっと、君は意見を一致させる。 ◎chでレスバばっかりしていたこれは言葉だけは達者だった。
>>もふ#493297
根倉正直 どうして社会から転落したやつが別の場所でうまくいけるなんて思うんだ? たかだかゲームに影響されて、偉そうなことを言って、お前は何様のつもりなんだ? 現実にまで、直接現れて助けてもくれないくせに。手を差し伸べてもくれないって、知ってるんだ。言葉だけ!言葉だけだ!! 最後は全部、自分でなんとかしなくちゃいけないんだろ!!できないからくるしいのに!! 正直も君も、被害者だった加害者だ。己の傷を武器にして、他人をきっと傷つけていた。 →
>>もふ#493295
MAO この世界はゲームだ。そういうていだ。 しかしオンラインゲームは時に現実にも影響を及ぼすことがある。 ここでの対人関係が、何かを変えるきっかけになる事もあるかもしれない。 MAOの中身も、ここでの影響を受けていた。良し悪し問わず、多大なる影響だ。 MAOは君の苦労と苦痛を知らない。 しかし客観してみれば、集団社会において一方的に攻撃を受けた者という共通点があった。だからかもしれないな、言葉が嫌に痛く響くのは。 君の告解は、MAOにとっても苦しいものだった。 他者を排斥するために過度な壁を作る。否定をする。諦めたふりをして相手を羨望し、持ちあげたふりをして遠ざける。 それはMAOにも心当たりがあった。嫌だった。 →
>>もふ#492801
MAO 自分がどう思っているか、MAOも手探りで己の頭の中の正解を探す。 正解以外は間違いだ。正しい事は明確にあると思っている。社会にまともに出ていないせいで、二極化した思考をしていた。 『もふさん、星盤はかならず閉じるよ』 『自分の気持ちを素直に話すのは、今しかないよ』 君が相手についていったりしなければ。あるいはすごい能力の持ち主でなければ。 縁は切れる。 MAOも言われた言葉だった。 『今だけだよ。ちゃんと話し合えるのは』 『いやだった、もだいじだよ、も、すきもきらいも、い、今だけ』 『あ。相手と、終わりにどうなりたいか、を考えると、いいとおもう』 『自分の……プライドとか、自己保身に……』 自分で言ってて傷つく。 『こだわってたら……、なにもつたわらないよ……』
>>みぃ#492644
MAO 終わらないゲームはソーシャルゲームくらいだろうか。 完結に300時間以上かかるゲームは顧客ニーズにあわないと言っていたのは某大手ゲーム会社の代表だった。 ゲームとして、NPCとして、あるには、そうだね。きちんと正しく終わるのはハッピーエンドなんだろう。 MAOはそれすら想像ついていなかったが。 「うん……」 「いや、すごいこと、するからさ。誰かも助けて欲しがるんじゃないかって……」 好き、にはにかんだ。 君の言葉が正しく向いている気がした。 役に立ちたいという気持ちがある。ろくに確かめもせず、楽に思考を流している。 それにしては思い切った行いをしたが。 「……そう?」 「ありがとう、うれしい」
>>もふ#492405
MAO 感情的になってろくな事がないのは同意する。 MAOの中身は感情が抑えられないクチだった。拒絶が全部態度に出る。 弱者被害者の立場に耽溺していた。 MAOは違う。 『よくないこと、は、人によるんじゃないの』 『少なくとも事務的に見られてるってことは、本心から話されてないって感じられてるんでしょ。自分の中で、勝手に処理したら駄目な話を建前の向こうで誤魔化されてるって……』 『誰か知らないし、もふさんのことは、詳しくないけど』 『泣いたり怒ったり、ちゃんとした?』
>>もふ#491750
MAO 『会話って』 『相手がいるからやるもので……、一方的に意見を言いたいだけなら、それは壁打ちでいいでしょ』 『正しくても、正しくなくても』 友好の度合いを平等にしたかった。 過度な返報性の原理を患っている。MAOにとって、大事なところなどないから大体は相手に譲りがちだ。己の存在を一番軽視していた。 蔑ろにされた経験が、自責に形を変えるだけ。 『もふさんがどうかはしらないけど、相手の人は』 いや、それはアドバイスだな。軽率に他人で気持ちよくなろうとしている。 でも。 『もふさんに、もっと感情的になって欲しいんじゃないかな……。 ムカついた時、無理に冷静になって誤魔化そうとしてない?』 |
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