はじめまして
ENo.157 ▶『赤の解放軍』のローグ なんやかんやフリー気味たぬきオーバードライ部
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▶ ローグ
夜明けより前に、空を見上げて。 ただ輝く、星々が其処に在る。 これが最後に見るものだとしたならば。 きっと十分に、上等だろう。 深く、息を吐いて。 呼吸は、静かになる。 星空よりも、深く、静寂に。
▶ ローグ
枝木を重ねて、火を熾す。 何度目のルーチンかは、わからない。 「何度繰り返しても…か。」 漏れた独り言も、ひとの気配がする場なら、 焚いた炎にくべてしまう。 澄んだ空気は、その周りだけ暖められて。
▶ ローグ
暗い洞窟を進めば、ふと反響する足音に、 なにかの音階めいたものを見出してしまう。 「……なんだったかな。 何時か、何処かで、聞いた様な、気がするんだけどな。」 思い出そうとしても、届かない様な、朧げな記憶を辿って。 ぼんやりと、重たい空気の中で、呼吸だけする。
▶ ローグ
辿る記憶は、何処にも見えない。 空も地も埋める色に、染められるがまま、何時までも。 「会いたいなんて、言えるわけもないよな。」 ただ、それでも。 「……それでも、だよな。」 当て所すら、無くても。
▶ ローグ
何時までも、沈まない夕陽。 永遠とは、こういうものだろうか。 永遠に変わらず、永遠に終わらない。 だとしたら。 「この空を、好きになるのは……拙いんだろうな、本当は。」 永遠に、届かない道。 振り返っても。
▶ ローグ
差し込む光を見上げる。 「光がある、ってことは…壁岩の向こうには、空があるのかな。」 空があるならば、大地もある。 洞窟の外にも、世界はあるのだろうか。 気配無きものは、其処にいるのだろうか。 |
▶ ローグ
「……現実では、どのくらい時間が経ってるんだろうな。」 短いとは言えない時間が過ぎて居る。 果たしてそれは、如何程か。 スマホを見れば、日付は表示されるが、 さてそれも正しいのか如何か。 己の時間感覚も怪しげであり、段々と、わからなくなってくる。 せせらぐ川と、時間。 どちらの方が、早く流れているのだろう。 沸き立つ湯は、刹那。 見上げもしない夜は、長い。
▶ ローグ
スマートフォン。 表示されたマップは、全てが繋がれている、様に見える。 「――…これで、終わりか。」 画面を閉じて、しまう。 「まだ、帰ることは出来ないな。」 まだ、何も。 それに。 「オレが、そう望んでいないから…か。」 理想のぞみを映す鏡ならば、 初めからそうだったのだろうから。 「……怖いな、本当に。」 花壇、の様なものを、見下ろす。 芽吹いたものは。 果たして、咲くのだろうか。
▶ ローグ
▶ ==ANXIETY== ▶ 瘴気の立ち込める沼。足元に潜むのは底知れぬ恐怖。 ▶ 前へ進むほど息苦しさが増していくようで、 ▶ 進むべき道を霞ませる。 旅人プレイヤー達も皆、足早に去って行く。気がする。 概ねのひとには、長居すべきでなく、 長居したくない場所ではあることだろう。 「…流石に、こんなとこに居られたら、困るな……。」 記憶にある顔のものは、このへん何処にも居ない。 居なくて良かった。
▶ ローグ
座り、温かなお茶を飲みながら、見上げる。 「綺麗な、風景ひかり だな。」 此処が、終わりであるなら。 それも良いと思える様な。 せめて、この綺麗な場所だけは、綺麗なまま、 思い出になれば良いな、と思う。 暫し、ただ見上げていた。
▶ ローグ
石で囲った土を、軽く被せて。 川から汲んだ水を、降らせる。 特段、世話を必要とする植物では無い…と、思うが。 果たして、花が咲くに、至るのだろうか。 「……幸運に……約束、か。」 胸を焼く様な言葉。 自分からは、最も遠いものかも知れない。 それでも。 ただ、この花に込められた想いが、届く様にと、祈る。 「何に、なんだかな…。」 それは、まだわからないままだ。 |
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