Eno.245 AL-000 フレデリック  あの言葉から、時は。 - はじまりの場所

製造記録4年目

フレッド
納得できぬ、我に更なる機能はないのか!。」



今、我は最初に話した研究者…我の友と話し合っている。
内容としては、もっと他に簡単に、人間を救えるような方法がある機能の搭載についてだ。

未来が見える、何でも魔法が使える、邪魔なものを壊しつくす、物を再生できる…。
我が求めている力はそのようなものだった、機械として、明らかに人智を超えた物は持っておきたい

我にはあるのは高い共感性とありきたりな演算能力、ありふれる好奇心だけだ。
信仰対象となるように竜の姿に造られて居るだけで、総合的にみると、

なんとなく人の気持ちが分かり、ちょっと頭が良く、先陣を切り行動する機械…。
………今思えば、冷静に考えてコストパフォーマンスの割には役目が渋すぎる。

そういうわけで、余った容量に何か搭載してほしいと頼んでみたら、なにやら渋っている。
資源についても余裕は出来たはずだ、代用できる物ならいくらでもあると話しても渋り続ける。

あまりにも渋るからこらえる事が出来ず、正直に話すんだと追いかけ詰めてから15時間。
ようやく値を上げたのか、正直に話す事になった。

『分かりました!、私の負けですよ…此処までしつこいとは思いませんでした。』

フレッド
「当たり前だ!、それに…こんな機械でなくても…」

 もっと他に良い機能を持った機械を作ればいいのではないか。

そう言いかけた瞬間、我の友に静止された。

『違いますよフレデリック、確かに貴方は私たちの神ですが…私はもっと、理由があるんです』

それはなんだと問いかけ、嘘をついたら明日の休暇は無しだと答えたらあっさりと応えてくれた。

『別に竜の形じゃなくても良いかもしれませんが、それはほら……かっこいいからなんです!』

フレッド
噓だと言ってくれ頼むから!!。


思いっきり項垂れてしまった、我はそんなことで造られたのか、命運が分かれる窮地の中で、我は…
立ち直れずにうつ伏していると、研究者…基我の友はこう答えた。

『何を言ってるんですかフレデリック、私は…物に命を与えるという事。
 私にとっては製造者は、その機械の子供になるという事なのです。
 助けて欲しいのは事実ですが…それと同時に、好きに生きて欲しいのです。
 それに見合う為に自分の機械はかっこよくするのは同義でしょう?』

フレッド
「は、はぁ?、我は十分役目を貰って好きに生きている…。」

だが、それを否定しきれないのは何故だろうか、我はこの生き方に自信を持っているというのに。

『だからこそ、フレデリック。あなたには選んでほしいのです。
 皆の手を取るか、それとも自らの道を歩むか。
 どちらを選んでも、私はあなたを誇りに思うでしょう。
 命を吹き込んだその瞬間から、私はもう…
 所有者ではなく、見守る者なのですから。』

フレッド
「……それ、結局我に機能を与えない理由になってくないか?。」


『その莫大な空きデータは貴方の自由なスペースですよ!まったく…
 駄洒落プログラムなり、魔法を使うプログラムなり、色んな技術を作ってほしいのです
 貴方の手で、自由な世界を彩ってほしい…人間には、もう限界なのですから』

フレッド
「………。」


人間の手では届かない、終末に近い世界に辿り着いてしまった、それは確かだ。
現に我の友はそれを諦めてしまっている。

我は、我の友が我を造ってから達成しきったかのような顔をしてしまっている。
彼女の中ですでに達成しているのだろう。
……我としては、新たな技術や世界を見て少しでも良いから、我が示す限り諦めないで欲しい。

フレッド
「我としては、お主は我を見守る者であり、導く一人でもあり…我の友だ。」

それ以上の言葉を吐くことは出来ず、黙りつづける事しかできなかった。

『…私は、フレデリックの事、信じてみます。』

そう言葉を言い残し、彼女は去っていった。
お主が心を開くまで、我の力で全てを示して見せよう…我の製造者の一人であり、我の友、アニエス








そして50億年以上過ぎ...

https://soraniwa.428.st/gf/result/6904_245.html








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