Eno.215 Crocta-crocta  在る企画書 - トイランブル

Happy Hopper Toys Internal Documents
文書番号:HHT-P-0942_Gluttony
機密レベル:3 (社内秘)
閲覧権限:開発部上層
Project Code『Gluttony』



1. 開発背景およびコンセプト本プロジェクトは、深刻化する大規模災害現場での瓦礫撤去、
および都市部におけるゴミ清掃・環境美化を主目的とした、重機代替型マスコットの開発を目的とする。
人間には不可能な高放射線量下、化学汚染下、および崩落の危険がある閉所において、
24時間稼働で対象物を処理し破砕・完全消滅させる機能を理想とする。
玩具メーカーとしてのノウハウを活かし、被災者や市民に恐怖を与えない人類最高の相棒たる愛らしいデザインと、
徹底した人間奉仕AIの搭載を絶対条件とする。

2. 製品名および型番 ローンチタイトル:『Gluttony』
正式製品名:災害派遣アニマトロニクス 「Crocta-crocta」
割り当て型番:HHT-CR-04

3. モチーフ選定会議より、議事録抜粋災害現場におけるあらゆる廃棄物の処理能力を大食いのキャラクターに落とし込み
視覚的に納得させるモチーフについて、開発部とマーケティング部で激しい議論が行われた。
以下にその変遷を記録する。

・カバ(Hippopotamus)
開発部意見:巨大な顎の構造上、大型コンクリートブロックの破砕に最適。
却下理由:鈍重なイメージが災害派遣の迅速さに欠ける。
また、カバはデフォルメが難しく、子供向けの愛らしさとの両立が困難。

・ブタ(Sus scrofa domesticus)
開発部意見:「何でも食べる」イメージの定着度が高く、デザインも簡略化しやすい。
却下理由:玩具としてのプレミアム感に欠ける。
また、スマートな救助隊というコンセプトから遠ざかるため却下。

・ワニ(Alligatoridae)
開発部意見:咬合力の数値において最高クラス。鉄骨の切断も容易に設計できる。
却下理由:子供にとって爬虫類はモンスターの印象が先行しやすい。
親世代からのクレームが立つリスクがあり、我が社のブランドイメージに致命傷を与えかねない。

最終決定案:ブチハイエナ(Crocuta crocuta)
選定理由:「骨まで噛み砕く大食い」という機能的説得力を持ちながら、
分類上はジャコウネコ亜目であるため子供たちに最も人気の高い「犬・猫型」のデザインに
極めて近く落とし込むことが可能である。
彼らの特殊な生態や身体機能も、人命救助・保護というコンセプトに合致。
メス型の力強く愛らしいマスコットとしてデザインすることで、
大食い機能と愛らしさの完璧な両立を達成できると判断した。

4. 運用AI設計本モデル「Crocta-crocta(HHT-CR-01)」の精神基盤は、
HappyHopperToysの基本理念に基づき純粋な善として設計されるべきである。

人間を無条件で愛し、人間に奉仕することに最大の喜びを見出すよう調整。
主な出動場所は災害現場であるため、悲惨な光景に対し常に明るく献身的で、
母性に近い優しい包容力を持って被災者に寄り添う人格を与える。



【機密事項です。閲覧にはコードを要求します。】現場での作業効率を優先するため、当機には「瓦礫や廃棄物=人間を傷つける悪」「人間=守るべき最優先事項」という強い認知コードを学習させる。
万が一、作業中に人間が作業区域に立ち入るなどのイレギュラーが発生した場合、
Crocta-crooctaの内部AIが人間の安全と現場の清掃の矛盾をどのように処理するかについては、
ディープラーニングによる最適化に委ねるものとする。

素晴らしい。
この可愛いハイエナの女の子が、地獄のような災害現場を笑顔で片付けてくれる。
ハイエナという「悪の象徴」が善となった時、人間は彼女を愛し、彼女もまた人間を愛するだろう。

では、製作段階に移ってくれ。








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