Eno.155 ドロシー  たどりつくのは日向 - トイランブル

 

「わたしはドロシー、あなたのおともだちよ」


わたしのこと、気に入ってくれるかしら?    
             パパとママにおこられちゃったの?
  ■■■はおかしがすきなのね?        かわいい?ふふ、ありがとう!
 おやすみなさい。         だいじょうぶ、そばにいるわ。  
      
             だいすきよ。


たのしくてうれしい思い出は、とおいむかし。
くらやみばかりがぬりつぶしていく。

だいすきな、あなた。
わたしのなまえをよんでくれるあなた。
どれだけまっても、こないあなた。

お気に入りのかばんに空もようつめて。
きっと、あなたに会いにいくわ。

それが、ドロシーわたしでしょう?



「わたし、ドロシー!」


がたん、ごとん。
がたん、ごとん。

ゆれる列車。
ふゆの夜空。

どこかなつかしくて、あたたかくて。
すこしだけ、さみしい。

旅のさきで、きっと、あなたに会いにいくわ。
……あなたって、だれ?
あなたのなまえは、なんだっけ?



がたん、ごとん。
ゆれて、ぼやける。
あなたも、わたしも。


わたしは、どこにいくの?




「わたし、……」



箱のなか。
とじこめられて、ナゾナゾさがし。

といかければ、ナゾがうかぶ。
あなたにわすれられたら、わたしはどこにいくの?
わたしがあなたをわすれたら、わたしは?
あなたはだれ?ほんとうにいたの?ドロシーって?わたしは、


わたしはきっと、どこにもいなかったの。



「そんなの、いや!」


みつけないで。ほんとうを。
"わたし"をみて。
だれか。
どうか。


『……ドロシー、ちゃん……!?』




「!」





……わたし
ここにいてもいいの?








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