Eno.346 藍堂  ある男の手記① - トイランブル

几帳面で神経質そうな文字が並んでいる。



此処は箱庭だという。
ならば、姿の一つや二つ、変わる事があってもおかしくはないのだろうか。

単純に巻き戻った訳でないのは、一目瞭然。
造り替えられた証は、変わらず在る。
あれが今尚棲み着いているのだとすれば、今の
                   考えたくはないし、見たくもない。

記憶には、恐らく齟齬は無い。
名も、全て記憶に在る。
よく使っていたものも、あまり使ってなかったものも。
冗談めいたものまで。

この意識も、相も変わらず続いている。
自分の意思で動けてもいる。
差し当たって命の危険は無さそうだが、どうなるかは判らない。


此処が箱庭であるなら、出なければならない。
これ以上、何事も起きない内に。








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