Eno.133 ジョシュア・ローランド  9日目 ひかりの森 - ひかりの森

ジョシュア
集まらないッ……プロメトがッ……!


少年は装備の強化のためにせっせと石を集めていました。
なんせツメタイトが30も要ります。
なんとかガントレットは最終形態になりましたが、
マシンガンのほうはまだまだ難しい。

ジョシュア
「これさえ完成すればアタッカーとしての道が
 開けるんだけどな、がんばらないと……」




ジョシュア
「考えなければならないものが
 また増えてしまったな。」


ジョシュア
「信頼とは何か。」


ジョシュア
「僕はそれを言葉では表せないものだと考えている。
 言葉でいくら語っても、それは幻想になる」


形があり、言葉で説明できることは、本質ではないと考えます。
まずその名前がつくものには、たくさんの意味があり、形があり。
そのすべてが重なるものに“普遍”があります。
そのシルエットを手掛かりに、本当の姿を見つけなければならない。

ジョシュア
「本当なら、言葉で考えるというのは、無意味なんだ。
 答えについて、僕は沈黙せねばならない。」


ジョシュア
「ゆえにむしろ、僕は言葉で考えることを好む。
 言葉でもって語り、最後に残る部分が“本物”だ。」


ジョシュア
「言葉とは手段であり、それそのものではない。」


ジョシュア
「だから僕は楽しい、言葉で何かを伝えることが……」


ジョシュア
「僕が持っているものが、
 すべて無力で無意味であるという真実が。」


それで、信頼について。
思考しなければ、言葉にできません。

ジョシュア
「信じることは、許可を得ることでなければ、形のあるものでもない。
 もっとぼやっとした、普遍的な、誰しもが魂で感じ取るような……」


ジョシュア
「決まり事であれば、それは“契約”だからね。」


ジョシュア
「何かを犠牲にしたり、契約すれば手に入るものではない。
 魔法システムではないもの。」


ジョシュア
「金を払って契約して、時間をかけてフラグを立てば手に入るのなら、
 僕だったら金をバラまくね。」


それこそ死霊術を見つけた時のように。
あたらしい魔法を学ぶときのように。

ジョシュア
「だから、信頼を得るために何かをするって言うのは、
 ほとんどの場合意味はなく……」


ジョシュア
「花が咲くのを祈るように、待つしかない。」


ジョシュア
「すべての花が咲くわけじゃない。
 芽が出ることすら保証されていない。
 水をやっても土を変えてもね。」


ジョシュア
「ならばどうするか?」



ジョシュア
「僕の答えは、『どうしようもない』だ。」


ジョシュア
「愛と同じ。どうしようもないものだ。」


ジョシュア
「見返りはない。代償もない。保証もない。」


ジョシュア
「ただ、失うことができるのは間違いない。
 そういう難儀なものだ。」


なので、自分ジョシュアには、手に入らないもの。
これもまた、外側の世界から、幻想を抱くしかないのです。

ジョシュア
「そういった『言葉では表せない』『どうしようもないもの』が、
 世界には溢れているように僕は思う。」


ジョシュア
「それについて語るのは、無意味だけど……」


ジョシュア
「僕には“言葉”がある。」


真実に対して、言葉は無力です。

ジョシュア
「言葉を尽くさねば。」


ジョシュア
「尽くして尽くして、ぐるっと回って、
 最後に辿り着くのが『どうしようもない』でも……」


ジョシュア
「それは前進だ。」


そう信じるしかないと少年は思います。
どうしようもないのだから。



ジョシュア
「それはともかくまずはマシンガンだよ。
 僕は全てをブチのめしたいです」


アタッカーの使命です。

ジョシュア
「あと一個なんだよ、プロメトが……
 実はオリーブが持ってたりしない?」


ここまで十個ぐらいオリーブに石をもらっているので、
むしろお礼のメタリウムを探しに行きたいと、少年は思っていました……








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