Eno.113 メリジェ 17:かの者からの手紙 - まぼろしの森林
メリジェへ
はじめまして。
僕はあなたに命を救われた、昼の眷属の代表、勇者です。
君がたくさん手紙を書いて、僕たちのことを知ってくれて、
そして、魔王を頼ってくれて。
おかげで乳児の姿で祭りに行く事態は避けられたよ。
え、そうじゃないって?
だよね〜。
僕が死んでたら、最後に立ち寄った夜の眷属の街が疑われ、
また無用な争いが起きていたかもしれない。
改めて、この平和を守ってくれて、ありがとう。
そんな大したことじゃないって、君は思うかもしれないけど。
君が願ったおかげで、この尊い一瞬がひとつ永遠に近づいた。
それは本当だよ。
いや〜、君のお母さんにはなんだか嫌われてるみたいでさあ。
めちゃくちゃ怒られちゃったし。娘に謝れって言われてるし。
まだ腕がバキボキで〜、精霊に代筆してもらおうと思ったら
なんかかつてない怒りで拒否されてるし。
というわけで君のお父さんに書いてもらってます。
付記:(俺も怒っている。父より)
君たちには迷惑かけちゃって、ごめんね。
だけど、それ以上に。
“昼と夜が平等な森”が、
こんなに素敵なところだって知ることができて、嬉しいよ。
500年前は年齢的にお祭りに行けなくて、悔しい思いをしていたんだ。
君は今の僕と歳が近いらしいじゃないか。
よかったら一緒に回っておくれよ。
付記:(絶対に阻止するから、友達と行きなさい。父より)
もうすぐ帰ってくるのかな?
残り少ないかもだけど、旅行楽しんでね。
君に会えるのを楽しみにしているよ!
勇者エリア