Eno.214 スノウ  救 - ほしふる洞窟

*だれでも、なんでも、よかった*
*心と身体を引き裂かれる*
*どうしたって理解のできない思想に侵されてきた*
*晩を明かすごとに僕が僕ではなくなる感覚*
*…………*
*いつからか遠くのものは見えなくなったし*
*自分の顔を見るたびに吐き気がした*


「助かりたかった。どんな手段を使ってでも、生き延びたかった」


*生きる事を諦めるには、僕は結構な負けず嫌いでさ*
*いまでこそ心は曲がったけど折れちゃあいない*
*強かと言ったら聞こえは良いかもね*

*生き延びたいと、死にたくないは、話が変わる*
*生きたいと、生きたくないは、意味が変わる*
*僕は生き延びたかったけど、死にたくないたいわけでもなかった*



「……学のない子どもにできる事なんてたかが知れてるだろ。
 逃げ出したところで、できる事なんてない」


*大人だから上手に言えるようになっただけだよ*
*昔の僕にはこんな事、言える頭は無いさ*


「あの時、アイツに縋ったのは」


*子ども無知で無教養打算なんてある訳ないだろ助けてくれると思った*








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