Eno.322 恋路 六六  【記録】箱舟の青空教室④ - せせらぎの河原

ラクヤス
「では次に、
 種族龍……つまり、天龍と人との関わりについて
 見ていきましょう。

 まず、自然に近しい彼らは、
 運勢や運命を司る存在として扱われています」


クルフィ
「縁起 いい ですか?」


ラクヤス
「はい。
 東洋の登り龍は縁起物の象徴ですし、
 西洋の邪龍の物語でも、
 よく洞穴の中に、金銀財宝を貯め込んでいる姿が描かれているでしょう。

 そういった黄金律も、
 天龍の特性の延長線上にあるものとして考えられてきました」


クルフィ
「すごい」


ラクヤス
「ええ。
 でも、彼らにとってはあまり良い事ばかりでもありません。

 古来、天龍の多く生息していた地域では、
 同時に多くの諍いが人との間で起こりました。

 そうした中で、人がその特性を利用し、
 対抗する中で発達してきたのが──」


クルフィ
「してきたのが?」


ラクヤス
「卜占……つまり、占いという呪いです」









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