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Eno.113 メリジェ 16:みんなへの手紙 - まぼろしの森林
夜の中を駆ける、四つ足のもの。
その背中に捕まるちいさいもの。
休息を取っていた、メリジェの両親。
勇者は崖下で。
予定より“昼と夜が平等な森”にたどり着くのが遅くなりそうであったため、
近場で馬を借りたのが、失敗だった。
勇者は過去どんな生でも動物にはとんと嫌われるヒューマンだった。
おとなしいと聞いていた馬に暴れられ、落馬した。
いくつか骨が折れている。
その側には、魔王。
朝日が昇るとともに、魔王の姿はかき消えた。
ほどなくして、ユグネラとアイオンが。オズとロザリーが勇者のところへ辿り着き。
ロザリーの持ってきた秘薬で、怪我はなんとか生命に障らない範囲に。
そして町長がやってきて、勇者を乗せて。
皆で“昼と夜が平等な森”へ向かっていった。
![](https://game.428.st/uploads/dc6a5354-018a-42aa-ac71-7fbe624bf11c.png)
メリジェがしたのは、手紙を書いただけ。
全ての夜を知る魔王に。
勇者の場所を教えてと、嘆願して。
その場所を皆へ伝えた、遠くからできた少ないことだけ。
その背中に捕まるちいさいもの。
![](https://game.428.st/uploads/b1595c60-2da0-4630-835f-13909244f4a7.png)
ロザリー
「オズ、もうちょっと、
薮に突っ込んでもいいから急ぎなさいよ」
「オズ、もうちょっと、
薮に突っ込んでもいいから急ぎなさいよ」
![](https://game.428.st/uploads/504d9dad-df95-408c-ad96-5f528a758326.png)
オズ
「できるか!お前が乗ってんだし。
大事な薬がおじゃんになったら意味ないだろ」
「できるか!お前が乗ってんだし。
大事な薬がおじゃんになったら意味ないだろ」
![](https://game.428.st/uploads/d34d6ad9-abc0-47ab-b3db-0765dd9f05a3.png)
ロザリー
「だからって、道沿いに行っていたら遠回りよ」
「だからって、道沿いに行っていたら遠回りよ」
![](https://game.428.st/uploads/b1595c60-2da0-4630-835f-13909244f4a7.png)
ロザリー
「手紙が教えてくれた場所、
ここからもう少し西の崖のほうよ」
「手紙が教えてくれた場所、
ここからもう少し西の崖のほうよ」
![](https://game.428.st/uploads/a9045e07-b7f4-4f77-87ea-fb74051694d9.png)
オズ
「ケンタウロスの足は
足場の悪いところには向いてねえんだぞ!」
「ケンタウロスの足は
足場の悪いところには向いてねえんだぞ!」
![](https://game.428.st/uploads/ee65c9aa-8f12-43d4-bd46-a2d28b2b086e.png)
オズ
「ああもう!……
ロザリー、振り落とされんなよ!」
「ああもう!……
ロザリー、振り落とされんなよ!」
休息を取っていた、メリジェの両親。
![](https://game.428.st/uploads/ad2e2507-5d67-42d5-aa62-fbd8c5fabcb4.png)
ユグネラ
「……!」
「……!」
![](https://game.428.st/uploads/bc57f98f-5007-4964-a88b-5170786085f6.png)
ユグネラ
「精霊たちが呼んでるわ……」
「精霊たちが呼んでるわ……」
![](https://game.428.st/uploads/ed4c3070-d256-4576-a169-fe1ee4142349.png)
アイオン
「ユグネラ、どの方角だ?」
「ユグネラ、どの方角だ?」
![](https://game.428.st/uploads/65545ee5-087d-4234-ad19-e4d45a057f7a.png)
ユグネラ
「……あっち。手紙の場所と、同じよ!」
「……あっち。手紙の場所と、同じよ!」
![](https://game.428.st/uploads/45134918-2105-4537-b675-bf9120e21116.png)
アイオン
「すぐ準備をしよう。近いのか?」
「すぐ準備をしよう。近いのか?」
![](https://game.428.st/uploads/bc57f98f-5007-4964-a88b-5170786085f6.png)
ユグネラ
「ええ!」
「ええ!」
![](https://game.428.st/uploads/c4470ebb-d7b5-4915-904b-40d9a3459870.png)
勇者
「まさか君が来るとは思ってなかったよ」
「まさか君が来るとは思ってなかったよ」
勇者は崖下で。
予定より“昼と夜が平等な森”にたどり着くのが遅くなりそうであったため、
近場で馬を借りたのが、失敗だった。
勇者は過去どんな生でも動物にはとんと嫌われるヒューマンだった。
おとなしいと聞いていた馬に暴れられ、落馬した。
いくつか骨が折れている。
![](https://game.428.st/uploads/648eff86-cb22-4811-af98-149986805a6f.png)
魔王
「経験だけは誰よりもあるのに、
転生すると再び馬鹿に戻るらしいな」
「経験だけは誰よりもあるのに、
転生すると再び馬鹿に戻るらしいな」
その側には、魔王。
![](https://game.428.st/uploads/5c4b09d3-9c0a-4e85-b90c-8e5a69783572.png)
勇者
「へ〜ん、世界に大迷惑をかけた魔王サマに比べたら、
僕なんかささやかなもんだね」
「へ〜ん、世界に大迷惑をかけた魔王サマに比べたら、
僕なんかささやかなもんだね」
![](https://game.428.st/uploads/c4470ebb-d7b5-4915-904b-40d9a3459870.png)
勇者
「しかし、城から出てくるなんて。
そんなに僕が心配だった?」
「しかし、城から出てくるなんて。
そんなに僕が心配だった?」
![](https://game.428.st/uploads/1c253229-2135-49f1-b1e1-10df7648cb75.png)
魔王
「我がではない。お前はいいかげん、勇者の肩書きの重さを知れ」
「我がではない。お前はいいかげん、勇者の肩書きの重さを知れ」
![](https://game.428.st/uploads/5c4b09d3-9c0a-4e85-b90c-8e5a69783572.png)
勇者
「もう今はただの魔王城の共同代表でしょ〜」
「もう今はただの魔王城の共同代表でしょ〜」
![](https://game.428.st/uploads/393d6251-571c-4a56-890e-96e0431d9ff1.png)
勇者
「ペンより剣を握ってた僕が、ヒューマン引き連れて
みんなで手伝ってあげてるんだから、
感謝してほしいくらいだなあ」
「ペンより剣を握ってた僕が、ヒューマン引き連れて
みんなで手伝ってあげてるんだから、
感謝してほしいくらいだなあ」
![](https://game.428.st/uploads/5c4b09d3-9c0a-4e85-b90c-8e5a69783572.png)
勇者
「転生するごとにはるばる旅もしてきてるし。
思うんだけど、魔王城もっと立地のいいところに引っ越さない?」
「転生するごとにはるばる旅もしてきてるし。
思うんだけど、魔王城もっと立地のいいところに引っ越さない?」
![](https://game.428.st/uploads/e6c612f2-37b6-40a0-8def-e4f0ef487cf3.png)
魔王
「口が減らないな……」
「口が減らないな……」
![](https://game.428.st/uploads/d8ca59c1-885b-42f6-ac11-dd3948e2f2cc.png)
魔王
「……朝が来るな。我はここまでだ」
「……朝が来るな。我はここまでだ」
![](https://game.428.st/uploads/66c8a9ef-e667-41be-972f-cb8ae6ced5a1.png)
勇者
「えっ助けてくれないの!?」
「えっ助けてくれないの!?」
![](https://game.428.st/uploads/648eff86-cb22-4811-af98-149986805a6f.png)
魔王
「助けは来る。“昼と夜が平等な森”から。」
「助けは来る。“昼と夜が平等な森”から。」
![](https://game.428.st/uploads/1c253229-2135-49f1-b1e1-10df7648cb75.png)
魔王
「ソロルがお前を乗せてくれるそうだぞ。
ドラゴンライダーデビューだな」
「ソロルがお前を乗せてくれるそうだぞ。
ドラゴンライダーデビューだな」
![](https://game.428.st/uploads/e6c612f2-37b6-40a0-8def-e4f0ef487cf3.png)
魔王
「我はお前を見つけ出して、場所を伝えただけのこと。
業務外労働は、疲れる……」
「我はお前を見つけ出して、場所を伝えただけのこと。
業務外労働は、疲れる……」
![](https://game.428.st/uploads/5c4b09d3-9c0a-4e85-b90c-8e5a69783572.png)
勇者
「なんか悪いね!」
「なんか悪いね!」
![](https://game.428.st/uploads/e6c612f2-37b6-40a0-8def-e4f0ef487cf3.png)
魔王
「まったく……」
「まったく……」
![](https://game.428.st/uploads/d8ca59c1-885b-42f6-ac11-dd3948e2f2cc.png)
魔王
「礼を言うなら、メリジェというハーフエルフへ。」
「礼を言うなら、メリジェというハーフエルフへ。」
朝日が昇るとともに、魔王の姿はかき消えた。
ほどなくして、ユグネラとアイオンが。オズとロザリーが勇者のところへ辿り着き。
ロザリーの持ってきた秘薬で、怪我はなんとか生命に障らない範囲に。
そして町長がやってきて、勇者を乗せて。
皆で“昼と夜が平等な森”へ向かっていった。
![](https://game.428.st/uploads/393d6251-571c-4a56-890e-96e0431d9ff1.png)
勇者
「勇者を救ったのが、エルフにオークに
ゴブリン、ケンタウロス、ドラゴンに……」
「勇者を救ったのが、エルフにオークに
ゴブリン、ケンタウロス、ドラゴンに……」
![](https://game.428.st/uploads/cf6b41e6-4842-458d-93d9-ab317eba89a0.png)
勇者
「……そして、ハーフエルフか。」
「……そして、ハーフエルフか。」
![](https://game.428.st/uploads/5c4b09d3-9c0a-4e85-b90c-8e5a69783572.png)
勇者
「我ながら、いい世の中をつくったなあ!」
「我ながら、いい世の中をつくったなあ!」
![](https://game.428.st/uploads/dc6a5354-018a-42aa-ac71-7fbe624bf11c.png)
メリジェがしたのは、手紙を書いただけ。
全ての夜を知る魔王に。
勇者の場所を教えてと、嘆願して。
その場所を皆へ伝えた、遠くからできた少ないことだけ。