Eno.740 【背中を押す者】 これからのこと。 - はじまりの場所
「冒険者ということにされてしまったけど、
「もしくは僕をここに送っただろうあの人が
気にはなるが考えるべきことは他にある。
「悩むまでもなく、僕はすぐにでも帰るべきだ」
「……あの子は困っているようだった」
「島を調べる、なんて僕は役に立ちそうにないけど
聞かなかったことにはしたくない」
「…………」
「よし、決めた」
「騎士様方には悪いことをしてしまうけど
帰還は後回しにさせてもらおう」
ひとつ頷く。
それから視線を下に向けて、小さな彼?に合わせて膝をついた。
「君はランドラ、でいいんだよね」
「僕は神父のジョン」
「この場所に不慣れなのできっとたくさん迷惑をかけるでしょう」
「名付けの資格がなくて呼び名すらあげられません」
「それでも一緒に来てくれますか?」
「どら~」
おっとりとした鳴き声と微笑んでいるような顔のランドラが
差し出した手に手と思われる部位を乗せる。
「ありがとう」
「これからよろしくね。ランドラ」