Eno.472 ふるる  後日談 その1 - せせらぎの河原

「あはっ!やっぱり来たね、いらっしゃいラピアフォーゼ。
……いや、魔王セイクレッドと呼ぶべきかな?」

「ふるるを、娘を返してもらいます」

「ん-、やだー!
力ずくでも奪ってみる?
あー、そうなると困ったなー。
キミとボク達が戦うと星が壊れちゃうなー。
花嫁の望んだ、みんなの笑顔が壊れちゃうなー。
花嫁であるキミの娘も無事では済まないなー。

……それでもいいって言うなら、魔王らしく戦うって言うなら、存分にやろうぜ?」

「くっ……、ふるるは、無事なのですね?
あの子に何もしていませんね?」

「花嫁は健気に平和を祈ってるよ。
それはキミが一番よく知っているはずだ、王であるキミのもとには報告が行く。
災害も天災……天使のやつらも静かなものだろう?

それに、キミには金の瞳があるじゃないか。
必要な情報をいつでも見ることが出来る、選ばれし勇者の特権。
見えるでしょ?それで大事な娘が、エノメナの花束を大事に抱えて眠ってる花嫁が。

なーんてね」

「……必ず返してもらいます、今はふるるの安全を優先します」

「星の安全じゃないんだねー、まぁいいや。
でもかえさなーい、やだー、ばいばーい」








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