Eno.67 チーバイシーア  懐古 - めざめの平原

遠くから聞こえた懐かしい土地の話。
100年くらい前だろうか。
年月を数えるのは得意でないから、もしかしたら違うかも。

あの時よりも落ち着いた彼の声と、雨の音を聞きながら、ほんの少し昔の出来事に思いを馳せた。

自分の世界が変わった日。
その日、色彩のない世界は、鮮やかに彩られていった。
彼こそが正義で、自分の生きる意味で、死ぬ意味。

一緒に逝こうぜ、と言ってくれた彼は、僕と似ていたから。
生きるのだって、死ぬのだって、寂しいのは嫌だもの。








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