Eno.148 レオス・L・アイギアロス ビジュ・ノヴィシア ~レオスルート バッドエンド2~ - いろどりの山道
「……お前はしばらくそこにいろ。
もし大変な事になったら、こちらが困るからな」
──誰もいない、静寂な牢の中。
鎖に繋がれ、ただ来る
俺の『力』は、目覚める事はなかった。
所詮、俺はどう頑張っても、その『力』がなければ価値がない。
物としても使えなければ、ゴミと変わりはしない。
それが
「………どうせ、俺も同じなんだ。結局アレと」
「俺は人になれずまま、人の形で死ぬ。自然に作られたと言っても変わらぬ、作り物さ。」
「じゃあ……物として使えないなら、俺は一体、何なんだろうな」
ごめんなと、言いたかった人間は、そこにはもういない。
使えぬ物に言われる価値もないだろう。
自分は結局、人に使われるために生かされてただけなのだ。
でも使えないと分かったら、この通り。
人というのは、結局力しか見ていないのである。
そう考えていると、
身体が、疼いてくる。
壊れていく感覚。
いや、違う。
これは変わろうとしているのだ。
力の目覚め、
そウ、お前ラを──
… … … ▽
「……大変申し訳ございません。
彼は諸事情で、この学園を退学となりました。
詳しい事情はお教えできませんが……」
彼はとある日から、学園に来なくなった。
二度と、其処には帰ってくる事もなかった。
理由は分からぬまま。
どうなったのかも、私は知らないまま。
END1『役に立たない物』
セーブデータ ロード中 ... ... ▽
『シーン2:ビジュ』
『ビジュ』とは、稀に人間から発生する、
神秘的な宝石魔法の力である。
宝石の種類によって、様々な固有の力があり。
希少な物として価値がとても高い。
しかし使い手によっては制御が難しく、有効的な使い道を様々な機関が研究しているようだ。
だから学生向けにはこの
血筋から同じ『ビジュ』が生まれやすいとされており、
ビジュを持つ家系は、世間でも地位が高いのである。
そして私は……その中でも、『ダイヤモンド』のビジュを持っている。
『ダイヤモンド』のビジュは強い「浄化」の力を持っており、
それはどんな力も眩い光で照らし、浄化する物である。
これがどう人の役に立つかは私にもまだ分からないが、いつかは上手く使えたらなと思った。