Eno.206 リモネ  レモンクリームパイははんぶんこ - ひかりの森

一つ、しゅぎょーを頑張る為に食べた。

"リモネは優しい、いい魔女になるわ。"
リモネ
「…大丈夫、きっといい魔女になるよ、約束する!」


一つ、大事な魔法が上手くいくように食べた。

"私もレモンクリームパイというのに挑戦してみようかしら、
 リモネさんイチオシのお菓子みたいですし"
リモネ
「…失敗しちゃった、次はうまくやらなきゃ。
 あの子には…知られたくないなぁ。」


一つ、魔法使いのお兄さんにあげた。

"レモンがさわやかでおいしい!俺でも無限に食えるかも"
リモネ
「……おいしいよね、そうだよね。よかった。いいなぁ。


一つ、あいぼーにあげた。

"…おれはショージキに言っちゃったほーが、いいと思うんすけどね"
リモネ
「……おばあちゃんに、がっかりされたくないの」


一つ、狼さんにあげた。

"上からジャムをのせて補うのはどうでしょう?"
リモネ
「…おばあちゃんのパイを、変えていいのかな。
 変わらなきゃいけないのは、私じゃないかな。」


お友達と半分こ、魔法のレモンクリームパイは、あと三つ。

あと一つ、それともあと二つ?
食べたらあの魔法はうまくいくかしら。




リモネ
「………本当にそれで、いいの?」









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