Eno.148 レオス・L・アイギアロス  ビジュ・ノヴィシア ~レオスルート セーブ1~ - はじまりの場所


「……レオス、お前は決してああにはなるな。
あの女のようには……絶対に、なってはならんぞ」


「せっかく持つ『レピドライトのビジュ』だと言うのに……
このまま、役立たずでいいのか?」



「……はい、頑張ります」


「ああは、絶対にならないように……努力しますから」



俺はあの『忌まわしきも強い力秘めたるビジュ』に目覚め、誰よりも強い者になって見せると。
ずっと願っていた。

だがそんな物は、なかった。

あるのは……忌まわしき自分、だけだった。




──それは、今も変わらない。
それどころか、俺も結局……あの時のように、なるのかもしれない。


末路とは、そんな物だ。
頑張りなんて、人のためにならなければ意味がない。


「──だからどうせ、このままだ。
俺は……何も変われなかった。結局何しても、思っていた者にはなれない。
他でそれらしく振舞うしかできない、弱い者だ」



だって、あの人も──そうだったじゃないか。



……やっぱ、こうなるのか、俺も、いつか、あれに



バキ    バ

 バキ  

       バキッ

                      パリンッ

                            ──硝子のような物が、零れ落ちた。





そして今日も俺様は、強気弱気でいる。








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