Eno.322 恋路 六六  【記録】箱舟の青空教室③ - めざめの平原

クルフィ
「館長さん」


ラクヤス
「今は先生でお願いします」


クルフィ
「……、先生


ラクヤス
「はい、何でしょう」


クルフィ
うれしそう……


クルフィ
「あの、龍殻の かたち、どうして 違う ますか?」


少女が両てのひらを前に出すと、
そこに小さな赤い結晶が、ころんと現れた。

ラクヤス
わかりません


クルフィ
わからないんだ……


ラクヤス
「あなたはパネラさん……つまり、ケンタウル族の龍殻を移植して
 "人の龍"となった個体であって、
 普通の龍殻持ちとは少し事情が違いますが、
 それでもあなたとパネラさんの龍殻の形は異なっていますから、
 その辺りはもう個性と言う他ないでしょうね」


クルフィ
「個性……」


ラクヤス
「ですから、外部燃焼器官としての性質を確かめない限り、
 完全に見た目だけで龍殻と判断する事は困難です。
 あなたのように、必要な時以外には消えている事もありますし……。

 って、あれっ、もしかして角型が良かったですか?」


少女はふんふんと頷いた。

ラクヤス
「う~ん……、まぁ、意見は色々だと思いますが、
 あまり大きいと寝返りが打てなくて大変だとは聞きますね」


クルフィ
そうなんだ……









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