Eno.113 メリジェ  雲海と季節の魔法 - ひだまりの高原


「マロンケーキの話」


月がきれいな夜だったよお。
『ひだまりの高原』の、もくもくの雲を、月明かりが照らしてて、絶景だったよお!
でも、あそこは崖になっててえ。
ちょっと覗き込んだだけだけど、すぐ怖くなって首を引っ込めちゃったあ。

でもそんなの怖くないって風に、じっと端で空を眺めてたおにいさんがいて、
あぶなくないかなあってハラハラしちゃって、つい声をかけたんだあ。

おにいさんは、コノギさんって言って。
怖くないよって言って、夏の風にぴょんって乗ってみせてくれたんだあ〜。
素敵な季節の魔法を使う、魔法使いさんだったのお!

他にどんなことができちゃうの〜ってわがままもきいてくれて、
綺麗なダイヤモンドダストを見せてくれたよお。
月の光に氷の粒が照らされて、きらきら〜って降り注いでいって……。
精霊さんたちも、自然に寄り添ってくれる魔法は新鮮だったみたいで、喜んでたよお。

大人のひとって、お菓子食べるか心配なんだけどお。
ケーキを受け取ってもらえてよかったあ。ジュースまでもらっちゃったあ〜。
素敵な魔法を使うひとに、これからも素敵なことがいっぱいありますように!









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