Eno.472 ふるる  冒険の終わり音と始まりの音 - せせらぎの河原

ふるる
「パパとママがふるるに黙って結婚していたの!!なんてどう思う?ほーまちゃん」

ほーまちゃん
「????主、何を当たり前な事を」

ふるる
「違うの、今度の家出の理由!すごーく我儘でバカっぽくない?あー、今度はそれなのねってあきれない?」

ほーまちゃん
「要するに、次の家出は長いのね」


噂話が聞こえてきた。
クラウソラス様に縁談話が持ち掛けられていると。
隣国の王子で、歳は10歳上。
あぁ、私もそんな話が出てくる年齢になったのかって思った。

いつか私は国の為、民の為の結婚をするだろう。
この国をストラお兄ちゃんが治める頃にも、今のような平和で笑顔があふれる国であるならば。
私は喜んでお嫁に行くと思う。

それで守れるなら、それでみんなが笑ってくれるなら、それが一番いいのだから。

ただ……。

ふるる
「パパとママの出会った場所に行きたいの、パパとママが恋した場所」

ふるる
「パパがママにプロポーズした場所、デートした場所」

ふるる
「今じゃないと行けない気がするから……」


そう、今じゃないと近いうちお勉強の中に花嫁教育が入るだろう。
顔も知らない、噂でしか知らない、隣国王子のお嫁さんになる為の。
今みたいに抜け出せる機会も減るだろう。

だから……。
その前に、パパとママの奇跡に触れたい。





ふるる
「……私に奇跡は起こらないだろうから……」









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