Eno.527 ディーマ・カーレッジ  ハジマリ - はじまりの場所

ストロールグリーン』……『ソラニワ』に呼ばれたのも、これで三度目だ。
シオンサバイバーは丁度別々の依頼で出掛けているし、レイワは「オマエ宛に来たのなら、オマエだけで行くべきだ」と同行を断ったので、今回は俺一人で出向く事にした。

さて、こうしてまた辿り着いたわけだが、どうやらこの世界は、前回より二年程経過しているらしい。
とは言え、変わらぬモノは変わらない。ハナコとか、相変わらずふんわりしている。

そのハナコに指摘されて、いつから付いてきたのか、一匹……一本?
いや、敢えて『一人』としよう、のランドラが俺の後ろに居た事にようやく気付いたが。
俺はこのランドラに気に入られたようで、ヒトの真似事をするのが好きらしく、既にある程度俺の真似をしていると分かった。
それに、青いし……橙色のランドラはよく見かけたが、以前からそれ以外の色も存在していたのか?
せっかくなので、これからは〝薬〟を意味する〝オフィシナルム-Officinarum-〟から、こいつを『ナルム』と呼ぶ事にする。

名付けられたランドラの『ナルム』は、どこか嬉しそうに見えた。








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