Eno.599 吠え声  <<_ - くらやみの森

■の美しきものは、その清き■を■わせ■■て伝える役目を。

■の醜きものは、その穢れた■を■■■み■■て封じる役目を。

そんな信仰。



「___」



そして隔たり。







先に席に着くよう促す。
これを神官たちにもし見られてたらと思うと気が気でなかったが、
絶対に離さないと言わんばかりに尾を握られてしまえば、こうする以外の方法が浮かばなかった。

そして自身もまた対面に座り、手帳と筆記具を取り出した。




「……」


【そんな訳ですので】


「…………」


【大変申し訳ありませんが、貴方と直接お話することは出来ません】


首輪を指し示す。わかりやすいように。
立場、身分、様々なものが違うのだと。

どれだけ此方にとって迷惑な"お願い"とやらをしているのかを。


信仰、規則、法、断りの理由を書き連ねた己の文字を
食い入るように見つめていた子供は、顔を上げた。




「……」



『なんで?』


鈴を転がすような声がひとつ。部屋に響いて、澄み渡る。

頭を抱えて、叫びたくなった。








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