Eno.224 フクロエルフ  フクロエルフとマナクロック - 『よくわかる! フクロエルフ大図鑑』より抜粋 - はじまりの場所

 
 
フクロエルフの興味深い点として、マナクロック年代測定における他種族との不一致が挙げられる。
 
マナ粒子はその時間素子の法則性が精密であることから様々な年代測定に用いられており、
特に生物の場合その生成年代を探ることでその種がマナを体内に取り込んだ時代を特定できるのだが、
今日明らかとなっている事実として、その生成年代は殆どの種族において現在から±100年の間に密集している。
 
これは現在に近いいずれかの時点で世界に何らかの改変が行われるか、異なる時空が何らかの理由で合一し(※1)
その結果としてマナが生成された、あるいはいずれかの時空にマナが含まれていたものと推測される。
つまり我々の知る地球の歴史も、この影響が過去へと波及し書き替えられた歴史に過ぎないのであろう。
 
ともあれ、我々第二人間種を含めた人間種族、諸々のエルフ種族、他の亜人種や準知的種族、動植物も含めて
現存種では同様の結果が検出されており、従って前述の事象に"居合わせる"形で改変を受けたものと考えられる。
 
しかし十年ほど前、いくつかの種族においては一貫してマナクロックが古い時代を指すことが判明した。
その種族の一つがフクロエルフである。
彼らのマナクロックは非常に古い年代に集中しており、これは我々や他の種族とは明確に異なる。
これが何を意味するのか未だはっきりとはわかっていないが、一説によれば、世界の改変が過去へと波及する中で
そこに生まれる歪みを埋めるように誕生した生物なのではないかと推察されている。
 
 
 
(※1 前者はリデザイン仮説、後者は時空衝突説と呼称されている)
 
 








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