Eno.693 レヴァンダ ■日記その③ - めざめの平原
***
次に、世界の話だ。
故郷である■■■■■では、我々は魔物の一種として扱われている。
人型であり、人ならざる者は『亜人』という括りになるのだが、
より危険性があり、脅威となり得るものを、魔物として扱う。
人間が中心の世界では、魔物は下等生物の様な分類だ。
そんな世界でも、種族を守る法というものが出来た。
どんな生物だろうと安全を保障し、健全に繁栄するための法らしい。
だというのに、同胞の悲報はずっと日常のすぐ隣にあった。
弱い物は捕らえられ、毒である血を抜かれたり、その目を抉られたり、
良くて一生飼われたりと、安全を保障されている事を実感する事は少なかった。
法が出来たからと言って、我々を魔物扱いする者が根絶されたわけではない。
むしろ、魔物だから狩るべきだと考える者さえいた。
だから、我々は他者に歩み寄る進化をしてこなかった。
不自由だろうと目隠しをし、人目を避けて暮らした。
いざとなったら、戦う事を選んだ。
安全の為に、防衛策が必要だったからだ。
***
次の探索に行く合間に、一人で遊んでいる子猫を見つけた。
こっそり見た背中は黒色で、黒猫なんだとわかった。
気まぐれな子猫がひょいと膝の上からの居た後、日記の続きを綴っている。
若干手から柑橘系の匂いがする。
文字を書きながら、ふと今までの魔法の知識を総動員する…。
一番得意な魔法は黒魔術で、日常的に使える魔法は最低限しか覚えていない。
読み飛ばしていた部分に、もしかしたらそのような魔法もあったような、無かったような…?
あったような気がする。
あまり使っていない、ほぼ書庫の様な自分の家を思い返し、雑多な荷物のどこに魔導書があるのか思いを馳せる…。
全く見当もつかない。生活のリソースを、整理整頓に裂かなかった結果だ。
はぁ、とため息をついて、一度その場に寝転がる。
吹きっさらしの平原では、多少の風でも大分寒い。
身体を丸くして暖を取っていると、そのまま昼寝に移行し…
日記の続きはまた今度になるのだった。
次に、世界の話だ。
故郷である■■■■■では、我々は魔物の一種として扱われている。
人型であり、人ならざる者は『亜人』という括りになるのだが、
より危険性があり、脅威となり得るものを、魔物として扱う。
人間が中心の世界では、魔物は下等生物の様な分類だ。
そんな世界でも、種族を守る法というものが出来た。
どんな生物だろうと安全を保障し、健全に繁栄するための法らしい。
だというのに、同胞の悲報はずっと日常のすぐ隣にあった。
弱い物は捕らえられ、毒である血を抜かれたり、その目を抉られたり、
良くて一生飼われたりと、安全を保障されている事を実感する事は少なかった。
法が出来たからと言って、我々を魔物扱いする者が根絶されたわけではない。
むしろ、魔物だから狩るべきだと考える者さえいた。
だから、我々は他者に歩み寄る進化をしてこなかった。
不自由だろうと目隠しをし、人目を避けて暮らした。
いざとなったら、戦う事を選んだ。
安全の為に、防衛策が必要だったからだ。
***
レヴ
「やっぱり生き物はいいね…ふわふわで、暖かくて」
「やっぱり生き物はいいね…ふわふわで、暖かくて」
レヴ
「いや、でも猫は結構気まぐれか…」
「いや、でも猫は結構気まぐれか…」
次の探索に行く合間に、一人で遊んでいる子猫を見つけた。
こっそり見た背中は黒色で、黒猫なんだとわかった。
気まぐれな子猫がひょいと膝の上からの居た後、日記の続きを綴っている。
若干手から柑橘系の匂いがする。
レヴ
「動物と話せる魔法があれば、気持ちも分かったんだけど」
「動物と話せる魔法があれば、気持ちも分かったんだけど」
レヴ
「…あったっけ?新しい魔導書が必用かな」
「…あったっけ?新しい魔導書が必用かな」
文字を書きながら、ふと今までの魔法の知識を総動員する…。
一番得意な魔法は黒魔術で、日常的に使える魔法は最低限しか覚えていない。
読み飛ばしていた部分に、もしかしたらそのような魔法もあったような、無かったような…?
レヴ
「今までは、必要ないと思ってたからなぁ…」
「今までは、必要ないと思ってたからなぁ…」
あったような気がする。
あまり使っていない、ほぼ書庫の様な自分の家を思い返し、雑多な荷物のどこに魔導書があるのか思いを馳せる…。
全く見当もつかない。生活のリソースを、整理整頓に裂かなかった結果だ。
レヴ
「帰ったら掃除もしないとね。」
「帰ったら掃除もしないとね。」
レヴ
「動物と話せる魔法のより、失せ物を見つける魔法が先かな…」
「動物と話せる魔法のより、失せ物を見つける魔法が先かな…」
はぁ、とため息をついて、一度その場に寝転がる。
吹きっさらしの平原では、多少の風でも大分寒い。
身体を丸くして暖を取っていると、そのまま昼寝に移行し…
日記の続きはまた今度になるのだった。