Eno.69 セイラム・ダンバース  ジュリィマン - ひかりの森

かの魔女裁判では、潔白を証明すれば絞首刑。告発すれば放免と相場が決まっていた。

だったら話は聞いていただろ、ペデストリアン。
俺は罪を認め、醜い俺を告発しなければならない。

俺の……はじめての友達。

俺はずっと一緒にいたいと思っただけなんだ。


けれど彼女は死なない身体で、他の人がそうなる事を望まなかった。

俺は魔術師で、父親は稀代のマギアで、
その血を引く俺ならなんだってできるはずなのにだ。

俺の望みは、彼女の希望を蔑ろにすることでしかなかった。


だったら適切に付き合えばいいだけだろって?

俺もそう思うよ。

けれど大人になる事を承服しない自分が、どこかにいるんだ。
これは……悪魔の指示によって、こうなってしまったんだろうか?

だとしたら俺は誰を告発すればいい?父さんか?クインか?
わからない。わからないよ。








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