Eno.322 恋路 六六 【記録】箱舟の青空教室① - めざめの平原
二柱の巨木を遠くに望む草原の上で、
教師風の青年と少女が勉強机を挟んで座っている。
柔らかな日差しの元、
木々に遊ぶ小鳥は小気味よく囀り、
それを追いかけて、ずんぐりとした身体と嘴を持った鳥が地を駆けて行く。
午睡から目覚めた少女は、青年の指示した頁を開く。
青年の言葉に、ふんふんと頷きながらノートを取っていた少女は、
ふと顔を上げて呟いた。
教師風の青年と少女が勉強机を挟んで座っている。
柔らかな日差しの元、
木々に遊ぶ小鳥は小気味よく囀り、
それを追いかけて、ずんぐりとした身体と嘴を持った鳥が地を駆けて行く。
ラクヤス
「それでは、今日は“龍”について勉強しましょう。
まずは図鑑を開いて……」
「それでは、今日は“龍”について勉強しましょう。
まずは図鑑を開いて……」
クルフィ
「すやっ」
「すやっ」
ラクヤス
「クルフィ?」
「クルフィ?」
クルフィ
「はい」
「はい」
午睡から目覚めた少女は、青年の指示した頁を開く。
ラクヤス
「一口に“龍”と言っても、その生まれ方や生態からして
様々に分類する事が出来ます。
まずは、“種族としての”龍。
彼らは主に落雷や噴火などの自然現象から発生する種族ですが、
他の生物から“成り上がる”事もあります。
基本的に長寿であり、その多くの個体が空に親しむ事から、
混同を避けるために『天龍』と呼ばれる事もあるようです」
「一口に“龍”と言っても、その生まれ方や生態からして
様々に分類する事が出来ます。
まずは、“種族としての”龍。
彼らは主に落雷や噴火などの自然現象から発生する種族ですが、
他の生物から“成り上がる”事もあります。
基本的に長寿であり、その多くの個体が空に親しむ事から、
混同を避けるために『天龍』と呼ばれる事もあるようです」
青年の言葉に、ふんふんと頷きながらノートを取っていた少女は、
ふと顔を上げて呟いた。
クルフィ
「わたしじゃ ないほう」
「わたしじゃ ないほう」
ラクヤス
「ええ、そうなりますね。
では次は、『地龍』の方を取り上げてみましょう。
図鑑の次の頁を開いて──」
「ええ、そうなりますね。
では次は、『地龍』の方を取り上げてみましょう。
図鑑の次の頁を開いて──」