Eno.599 吠え声  仮 - くらやみの森



――『頑ななほどに人に触れさせないからなんだよね。』

繋がらない。

≠。




――『…お一人で居るのは嫌いですか?』

繋がらない。

≠。




『君の普段の様子から、そこまで人間嫌いなわけでもなさそうなのに』

『…皆様のことは嫌ってないのは、確かでしょうか?』



子供は誰も、嫌っていない。
ただ、触れていいと、寂しいには、真っ直ぐ繋がらないだけ。



それで別に今まで不都合はなかったし、繋がる理由がなかったし、
そもそも子供は、自己というものを認識した時から独りだった。
はず。
それをどうして問題にする必要があるのだろう。


だから、無視してそのまま独りでいれば良かったことを、



『同じ言語を使わずとも貴方は丁寧に別の形で伝えてくれるじゃないですか。だから大丈夫。』













「!」



「! !」




 

「…?」





矛盾がある。誰かが頭の中で叫んでいる。








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