冒険者ですか、と聞かれればはいと答えた。

異世界についてやるべきことといえば、自分の身分を確立させることだ。
用心棒として雇われていたこともあったし、闘技者として活動したこともあった。

だから、向こうから聞いてくれたのはとてもありがたかった。
こちらから言い出すのとは説得力が違う。
おそらくなにか手伝わされるのかもしれないが、逃亡生活も切羽詰まったものではない。
現地民と付き合うのもまた良いこと。関係地は高くあるのが好ましい。
「ドラ～」
それにこの。ランドラという生き物はたいへん美味しそうであった。
健康的な土の匂い。青々しい草の色。
見かけるたびに美味しそうと口にしていたらそれが名前だと思ったのか、美味しそうで反応するようになった。
「美味しそうだね」
「ドラ～！」

今度齧ってみようかな。