Eno.740 【背中を押す者】 心配事と恨み言。 - ひかりの森
「鍛錬は欠かさず続けて隠し畑にも通っていたから
体力はそこまで落ちていないと思ってたのに、
ここまで動けなくなってるとは」
「……」
「畑の場所は誰にも教えていない。
もし捜索で見つかっても僕の痕跡しか見つからないはず」
「他の誰かが罰されることはない、と思いたいな」
「子供たちは大丈夫かな……」
「夜の方に睨まれてから才能ある子は他所に移して
孤児院にはできるだけ近づかないようにしていたけど、
騎士様方はまた別だ」
「酷いことをされていなければいいんだけど」
「彼が」
「彼が僕を逃したりなんかしなければ
最悪でも僕が処刑されるだけで済むよう、準備をしていたのに」
「……最悪だ」