Eno.563 ホバリングウミガメハイカー この高高度で “鳥”じゃないのが面白い - ひかりの森
「ちゃくりーーーーく……ふう。
見えるモンなんて対岸の森くらいのさびれた場所だけど」
ボボボボと着陸するのは島の南側、断崖絶壁のわずかな足場。
何故かそこに引っかかるように存在する
誰かの言葉を借りるなら、
「"私たちだけの場所"か。悪くないね」
すっかり気に入って、時々意味もなく屯したりしている。
そうすると、他に空を飛べるボウケンシャがちょいちょい飛んでくるのにも遭遇するわけで──
空を飛ぶボウケンシャ、自然と変わりダネも多くなるものだ。
「──いくら人目が少ないとはいえ。
スッポンポンの子が飛んでくるとは思わなかったけどなッ…!」
居合わせたついでだからと、寒そうな(寒くはないらしい)その子に温かい飯をおすそ分けしたら
『人にふるまってあげて』って魅了薬を渡されたのだった。
ちょっと名状し難い摂取方法だったのはこの際脇によけておくとしても。
いただきますとごちそうさまがすごくきちんとしていたので、多分良い子なのだろう。
誰だ魅了薬を料理に入れろなんて妙な事吹き込んだのは?
「いやまあ。あの薬、
栄養補助食みたいに濫用したのも事実ですけどぉ……
ジャムとか?ソースに入れるとか…?甘いし……」
* * *
【FN-563 YKSV】(シンプル焼きそば)
・大きく切ったキャベツで大胆にカサ増ししたフライドヌードル。
ヌードルのくせによく噛むはめになるので満足度はなかなか。
温かいのばかりが取り柄なので冷めないうちに腹に貯めよう。