Eno.83 妖翅は七色に煌めいて 記録02 - いろどりの山道
「――ひとを変態みたいに言わないでくれ……。」
(Eno.406 ルーヴ・ブランシュ)
狼。
温泉で脱ぐらしい。
狼と言えば、群れで行動するもの。
群を以て生きるならば、自分とは縁遠い。
「――だから、願い事していって良いわよ?」
(Eno.68 ユッカ・センチュリー)
花だとか、蕾だとか。
自分で自分を人気だとか言う。
願いなど、己に都合の良い妄想の、言い換えでしかない。
そんなものならば、願う価値も無い。
「――あなたは何てお名前の方なの?」
(Eno.481 ペチカ=ペスカトーレ)
傘持ち。
たぶん魔法使い。
魔法は、誰かの願いを叶えるだろうか。
その願いは、誰かを救うのだろうか。
此処は、雨が多い。
遮る傘は、この身に足りる分で良いけれど。
流し去ってくれるのならば。
都合の良い妄想。