Eno.113 メリジェ 巨木の下で - まぼろしの森林
「レーズンバターサンドの話」
『まぼろしの森林』っていうところには、
この島の神様がいるんだってえ。
そんなところにお邪魔しちゃっていいのかなあって、思わなくもないけどお。
でも、故郷に似ててとっても落ち着くから、よくいるんだあ〜。
いつもみたいに、お手紙を送ろ〜って風の精霊さんに頼んでたんだあ。
そしたら! エルフ的直感がびびび! ってねえ。
近づいてきたヒトをびっくりさせないように、がんばってゆっくり振り返ったよお。
さらさらでやさしい色のきれいな髪をした、眼鏡の女の子。
精霊さんの紙飛行機に目をきらきらさせてたよお!
お名前は、ネイシャさん。
とっても礼儀正しくて、優しくて上品で。素敵なお嬢さんって感じだけど、すごく素直な子ですぐ仲良くなったよお。
なんとあたしが座るところにハンカチを敷いてくれたんだよお。森じゃそんなの誰もしてくれないよお。
でねでね〜。ネイシャさんも、ここでプレゼントを探してるんだってえ!
あたしと一緒!うれしいねえ。
尊敬するひとと、『もみの木』を囲んでお祭りをしたいんだってえ。素敵だよねえ!
故郷の森じゃあまり見たことない形だから、寒いところの木なのかなあって思ったけど、
このソラニワの島にもあるかもしれないよねえ。
あたしも、それっぽいのを見つけたら精霊さんにも聞いて、
教えてあげるって約束したんだあ。
お友達になりたいって言われて、嬉しかったなあ!
目的も同じプレゼント探しだし、言わば共同戦線だねえ。
いっぱい素敵なものを見つけて、教えてあげたりもらったりして、お話したいなあ!
ふふふ〜 だからね、約束できてよかったあ。
もみの木もそうだし、ピクニックと、ハンカチを返す約束!
ふわっふわにするって言ったし、とっておきの洗剤使っちゃお〜。