Eno.127 名を忘れた神父 01.よびな - そよかぜの丘
「えっ……そ、それって、記憶喪失ってことですか!?」
自分の名前すら思い出せないという私に呼び名を与えてくれた親切な方。
格好からして神父であるだろうから、そこからとって『シン』という名前。
自ら語れることが何もない存在に、名前をつけるというのは難しかっただろうけれど、
悩んで素敵な呼び名をつけてくださった。
シン、由来が分かりやすくて良い呼び名だ。
これで自己紹介を他人にする際に困らせないで済むだろう。
いつか本当の名前を思い出せたとしても、このことは忘れないでおきたい。
……何故だか呼び名をもらったことが、名前を与えられるという喜びが
初めてではないような気がしたのは何故だろう。洗礼名でも貰ったことがあったのだろうか。
…どうして自分のことはわからないのに、教会のことは覚えているのだろう。
……どうして教会のことは覚えているのに、信仰していた神の名前は…思い出せないのだろう。
自分の名前すら思い出せないという私に呼び名を与えてくれた親切な方。
格好からして神父であるだろうから、そこからとって『シン』という名前。
自ら語れることが何もない存在に、名前をつけるというのは難しかっただろうけれど、
悩んで素敵な呼び名をつけてくださった。
シン、由来が分かりやすくて良い呼び名だ。
これで自己紹介を他人にする際に困らせないで済むだろう。
いつか本当の名前を思い出せたとしても、このことは忘れないでおきたい。
……何故だか呼び名をもらったことが、名前を与えられるという喜びが
初めてではないような気がしたのは何故だろう。洗礼名でも貰ったことがあったのだろうか。
…どうして自分のことはわからないのに、教会のことは覚えているのだろう。
……どうして教会のことは覚えているのに、信仰していた神の名前は…思い出せないのだろう。