Eno.148 レオス・L・アイギアロス ビジュ・ノヴィシア ~レオスルート セーブ2~ - はじまりの場所
「レオ……貴方ハ私よリも、キっと強くなレるワ。
だっテ貴方ハ『大切な私ノ子』、
だカら、大丈───」
バキ バキ
バキ バキ
バキッ
パリンッ
──そう言った最期の言葉と共に、
目の前でそれは砕け散り、硝子の割れるような音が鳴り響いた。
■■■となった、母の姿。
そして暴走した末路、一族に討伐され、
全て消え去られていった。
それは今も、脳裏に焼き付けられている。
──未来の自分の可能性の、一つのように。
────。
「最近は、増えたな……気の問題か」
「………やっぱ、こうなるんだ、な」
日に日に、何もできず、蝕まれては悪化していく。
まるで海に溺れ、呼吸が出来ない人のようだ。
助かる手立ても、特にない。
ああ、力があれば、いいのに
なんで、ないのだろう、あいつにさえ、あるというのに。
ベリ、 バキ
──生え続ける鱗を、剥がす音がしている。