Eno.14 ヴィンテル  とある一人の妖精の話 -ユール編- - たそがれの頂

前回のあらすじ。

ユールの支度がバリ早で整えた人がいた。




あれから、妖精の呼びかけで人々が集い。
ユール祭が開催される運びとなった。

人々の熱気は上々。

オレンジ風呂も、ドーナッツ屋も、お面屋も。
ユールに合わせた料理に、豚の丸焼きの振舞い。

楽しむ人々で満たされた一方で、妖精は別の場所へと赴き。



本来のユールの役目。ユールの訪れと。それを知らせる使者。

ユールの王としての役目を、彼なりに遂行し、無事に今年の役目を終え。
”ユールの使者”としてまた、生き長らえる事が出来たが。



ユールの使者
「……あ~~~~~、だっり。
 王の役目ってめんどくせえな」


”ユールの化身”
「……まあ、及第点でしょう。
 来年は役目が回ってこないと良いですね」


ユールの使者
「まるで来年も王に選ばれる言い方だな?」



そう、呼び出した冬の精霊、ユールゴートに指摘され、
困惑していたように見えたが。

ユールの使者
「……ま、選ばれることは、悪くねえ」



そう、ふ、と笑みをこぼして。
銀世界一色となった地を踏みしめ、祭りへと戻っていくのであった。








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