Eno.663 ジオグリス=エーレンベルク  沈まぬ陽はなく - ひかりの森

災厄の獣、喰らい燃ゆる雪崩の反応消失が確認された。

様々な情報が錯誤する。もはや幻想とされていた竜種が目撃された等。
真相は終ぞ解ることは無く、突如悪夢が終わりを告げたことだけが確かであった。



ルピス海岸が封鎖区域に指定される。
海上を含め巨大な浄化装置を設置することで汚染を遅らせている。

一度、汚染状況が改善された報告があったものの再度浸食が進んでいる。
浄化、及び解毒の魔法保有者の協力を協会は呼びかけているようだ。



負の感情によって増殖するものであるとある魔術師から情報が届く。
区域内の生物の掃討が行われた。



海洋より紫紺の獣が現れる。
汚染対象を全て取り込み形成されたらしい獣は、元は海魔か海精であったと推測される。

負の感情を怒りに限定する形で毒を変質させているとも見られ、これを大罪の獣と認定。

災厄の復活に人類は再び脅かされることとなる。


俺のせいだ。


"憤怒"の反応消失が確認された。

忽然と災厄が姿を消す自傷は暴食と全く同じであり、関連性が疑われる。
分かるのは人類はこの現象に再び救われたということだ。

同日、情報提供者の魔術師の行方が分からなくなっている。



件の魔術師の遺した文献より転移魔術の術式理論が判明。
二人分の筆跡で書かれた数々から察するに、魔術師が空間転移魔法の保有者であったことが伺える。

空間転移は術者本人のみを転移させる術式である。
増幅を併用することで範囲や転移可能の対象を増やせることから災厄の獣の件に関連付ける者が現れる。

何にしても、エーレンベルク氏の名は魔法史に刻まれることとなった。



強力な浄化魔法の保有者である少女が現れ、海岸汚染区域の……








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