Eno.75 ユゥユゥ  毛布のようせいさんの話 - はじまりの場所

最初は確か、緑のちいさな子供にきまぐれで毛布をかけたこと。

そこから毛布のようせいさんがうまれて、
なんや広がっていったっちゅうこと。
気が付けば、毛布のようせいさんは複数になっとった。


子供は、うちらの取引相手にはならん。
それでも『子供に好かれる人』ちゅうステータスは、取引にそこそこ役に立つ。

うちが子供に優しくする理由なんて、そーいうもん。
優しさやなくて、きまぐれと実利。
役に立ってもろたあとは、忘れてどっかで元気にしぃな~。


「だからまぁ、毛布のようせいさんの正体。
 バラしとったほうが、利になったんかもな。惜しい事したわ~。」


気づくひとには気づかれてたみたいやけどな。
ま、妖精とか信じ込んでる子供は、滑稽で面白かったからええかぁ。


捨てられない手紙は、今も、荷物の中にある。








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